お互いに仕事が忙しく会えない日々に

　しかし、多忙な日々ではモテへのモチベーションも低下してしまうもの。さらに田中さんが誠実だったこともあって、新たな相手を探そうとは考えなかったといいます。

「相手がどんな人かを理解するには、何年か付き合ってみないとわからないと思うんです。私が初めての彼女だったし、浮気をするようなタイプではないと信じていました」

　仕事が大変なのは、圭織さんだけではありませんでした。田中さんは旅行会社の営業職に従事し、出張も多かったそうです。

「学生時代と違って、しょっちゅう会えはしなかったですね。だからこそ彼の職場での様子は気になって、職場でのイベントの写真を見せてもらったりしていました。休みの日の予定も、会えないとしても聞いていましたし。普段、誰とどう過ごしているのかは押さえているつもりでした」

忙しいはずの彼氏が同僚とデキ婚？

　新しい関係性を築いていた矢先、田中さんが「仕事でリーダーに抜擢されて忙しいから」と、まったく会えない状況になってしまいます。

「彼氏とは結婚を意識していたので、その理由を疑ったりしませんでした。にもかかわらず、あるとき彼氏の男友達から打ち明けられた真実は『職場の後輩とのデキ婚』。友達は『聞いてないかもしれないけど……』と枕詞を置いてくれましたが、本当に青天の霹靂でしたね」

　信じがたい事実を前に、圭織さんも行動開始。

「どうにか会う約束を取り付けて、本人に直接問いただしてみました。すると彼は、『会っていない期間に、もう関係は終わっていた』と反論してきたんです。『あれだけ会えない状況なら自然に気付くと思っていた』と言われて……唖然としましたね」