業務スーパー創業者が100億円かけて“2度目の起業”。その責任者を直撃
風力発電や太陽光発電との違い
岡本氏は「太陽光発電は、昼間一気に発電量が出てピークを越えるため『あまっている』と言われているだけで、夜の発電量は足りていません。地熱は24時間安定して電気を作れるので、いちばん優先される電気」だと言う。
「2012年に国の買取制度FITができたとき、太陽光発電は1kWhが42円。それで多くの人がはじめて、いまは当時の100倍以上に膨れ上がっています。そのため、価格が36円なり32円になり、20円台10円台になって、2023年度は9.5円です。けれど地熱発電は、現在も40円のまま。
2012年頃、地熱は日本全体の発電量のわずか0.2%しかなく、いまは0.3%に近づいてはいますが、まだ0.2%のまま。太陽光が100倍になったのに対し、地熱は増えていない。これはやはり、地熱が難しいからです」
また、火力発電はCO2の発生、原子力発電は放射性物質の取り扱いについて潜在的な問題も含めた人間や環境への影響が課題となっている。しかし地熱の場合、地下から永続的に湧き上がった蒸気の勢いでタービンを回して発電してくれるのだ。
そのため、「一酸化炭素や二酸化炭素も一切出ないクリーンなエネルギーだ」と岡本氏は胸を張るが、約10年経ついまも地熱の発電量が0.2%のままというのは気になるところ。町おこしエネルギーが手がける地熱発電所の完成が目前となっているいま、それが日本の化石燃料に替わる日を待ちたい。
<取材・文/夏川夏実>