食材は腐りかけ、まかない飯は別調達。悪徳中華チェーンの実態を、経営者が明かす
「冷蔵庫にナメクジがいる」「料理にコバエが混入したことも」――大阪王将の元従業員が告発した悪質な衛生環境に飲食業界は震撼した。だがこれは氷山の一角にすぎない。飲食業界にはびこる闇を照らす。
腐りかけ食材で調理し、まかない飯は別調達
根強い人気のある中華チェーンについて、不穏な情報が流れてきた。
「まかない飯を作るとき、客に出すような食材は使わない。近所のスーパーでまかない用の食材を買ってきて作っているって。知り合いの中華店のコックが笑いながらそう言っていたよ」
こう語るのは、別の中華チェーンを展開する社長A氏(50代)。悪徳店の実態について教えてもらった。
「悪徳店がもっとも腐心するのが、食材費の節約。日本でも手に入る白菜やキノコなどの野菜類は、色が落ちて形が崩れていたり、腐りかけだったりする“わけあり品”を日本の一部農家から現金で安く買い叩く在日中国系ブローカーがいて、悪徳店に一般的な仕入れ価格の半分以下の値段で売っている」
中国人客と日本人客で食材を分けている?
巧妙なのは、中国人と日本人で食材を分けていること。
「中国人客にはわりとマシな食材を使い、日本人の一般客には腐りかけの食材を出すという方法。本場の味を知る中国人にヘタなものを出せば、鬼のようなクレームを受け、在日中国人社会で悪徳店の烙印を押されてしまうからね。知り合いの日本人も『日本人同士で行ったときと、中国人と行ったときでは、全然味が違った』と話していた」
特に注意したいのは火鍋(麻辣鍋)だという。
「母国中国発祥の料理なのであまり悪くは言いたくないが、悪徳店も多い。火鍋は“ごまかし”の利く料理だから。ぐつぐつと沸騰した赤や白濁したスープに食材を入れてしまえば、腐臭は消えてそれなりの味になってしまう」
本場中国の味を楽しむはずが、これでは台無しだ。
<取材・文/SPA!飲食店の裏側取材班>