大阪王将だけじゃない…「一見きれいな店が危ない」不衛生な飲食店の実態
割くべきリソースの逼迫が大問題
「厚労省は、昨年6月からHACCP(ハサップ)と呼ばれる衛生問題のガイドラインを、飲食にまつわる事業者のすべてに遵守させるよう働きかけています。その成果もあって、全体としては衛生上の問題は減っているというのが私の体感。ただ、大阪王将のような極端に悪い事例をチラホラと耳にするのも事実です」
そう語るのは、飲食業界の取材経験が豊富なライターの奥窪優木氏だ。
「原材料の高騰や人材不足に苦しみ、現場が回らないという構図が悪化しています。結果、掃除・清掃が行き渡らずに問題が起きがち。先日取材したあるバリスタは、『某有名カフェのコーヒーマシンはロクに掃除をしていないため、ゴキブリの巣窟になっているケースが多い。絶対に注文しない』と語ってました。
飲食関係者に聞いたところでは、今、飲食店のバイトは新人率が高いという。なぜかというと営業自粛中にバイトを切ってしまったから。そのため、衛生に関して教育が行き届いていないそうです」
一見、きれいに見えるパターンが…!?
ゴキブリやネズミといった害虫・害獣被害もまた、飲食店を悩ませる問題だ。害虫駆除会社のシー・アイ・シーで研究開発部長を務める小松謙之氏が語る。
「一見、きれいに見えるパターンが一番くせもの。冷蔵庫の下を覗くと割れた皿や醬油のボトル、ビニール袋が散乱し、こういうのがゴキブリの巣になりやすい。陶器やビニールは殺虫剤が浸透していかないので厄介なんです」