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子育てと仕事の両立は“無理ゲー”か?「若者の恋愛離れ」を後押しする複雑な要因

学び

先進国でも未婚率は上昇しているが…

高橋幸氏

高橋幸氏

 そもそも、アメリカやフランスなどの先進国では未婚率が上昇しており、「結婚したくない」「子供を持ちたくない」と考える若者は世界的に増えているように感じる。ただ、高橋氏は「欧米では法的な届け出をせずにパートナー関係を結んで子供を育てる“事実婚”や“同棲”というカップルの形が増えた。すなわち、統計上の“未婚率”が増えていることを考慮しなければいけません」と解説。

「その証拠として、欧米先進国の出生数や合計特殊出生率は高い水準を保っています。日本は1.30(2021年、以下同)ですが、アメリカの合計特殊出生率は1.66、フランスは1.83、イギリスは1.61、スウェーデンは1.67でコロナ禍で例年より下がっていますが、この水準を保っています。、これらの国で『子供を持ちたくない』と考える若者が全体として増えているとは言いがたい状況です。

 もちろん、『結婚せず、子供も持たない』という強い信念を持っている人もいます。しかし、『性別や性的指向にかかわらず、誰もが子育てと仕事を両方しながら幸せな家族生活を送れるような社会が良い社会である』という価値観は根強く残っています」

フランスでは育休を取らせないと罰金

 また、高橋氏は「先述した北米や北欧、イギリス、フランスのような国は、子供を産んでも仕事を辞めないことが“普通”であり、男性の育休取得率が高いという特徴があります」と結婚や子育てにおける海外の状況をさらに深掘る。

「例えば、フランスではマクロン政権下で、男性の7日間の育児休暇取得が『義務化』されました。育休を取らせないなどの違反を犯した企業には罰金が科されます。一方、家庭責任が女性に降りかかる性別役割意識が強い国の合計特殊出生率を見てみると、ドイツは1.58(2021年、以下同)、イタリアは1.31、韓国は0.81と、前述の国々と比べて低水準になっています」

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