週2日以上外に出ない、外出が億劫に…忍び寄る「テレワーク高血圧」を医師が警告
いまだに終わりの見えないコロナウイルスの流行。そのせいで在宅勤務が続いている人も多いことでしょう。もちろん通勤がなくなったおかげで、生活は楽になったけど、1日のうち外に出るのは、食料品を買いに近所のコンビニに行くくらい……。筆者を含めて、そんな不健康な引きこもり生活を送ってる社会人も少なくないのでは?
「テレワークが常態化した方に気を付けてほしいのが高血圧です」と語るのは、みやま市工藤内科院長の工藤孝文先生。なんでもテレワーク中の社会人に多いのが「テレワーク高血圧」と呼ばれる症状だそうです。今回はその危険性や、予防策について聞きました。
見逃しやすい「テレワーク高血圧」のリスク
まずは聞きなれない「テレワーク高血圧」の詳細を教えてもらいます。普通の高血圧とは一体何が違うのか……。
「最近、高血圧と診断されていなかった人が特定のタイミングで一時的な高血圧になる症状が増えています。なかでも、テレワークの常態化に伴う精神ストレスと身体ストレスのギャップが原因となっている高血圧のことを『テレワーク高血圧』と呼んでいます。
一時的な高血圧のため健康診断では見逃しやすいという難点があり、放置してしまいがちかもしれませんが、将来的に高血圧に繋がるリスクがあります。高血圧は自覚症状がほとんどないことから放置されやすく、最終的にはさまざまな疾患になりうるリスクをはらんでいるのです」(工藤先生、以下同じ)
デリバリーサービスの充実も一因?
そして、「身体を動かす機会が減ったことも要因のひとつです」と、ぐさりと刺さる一言。確かに、以前は食べ過ぎたら途中下車して1駅分歩いていたりしたものですが、そんなこともすっかりご無沙汰で身体の肥大化が止まりません……。工藤先生は原因についてさらに続けます。
「デリバリーサービスの充実化や、巣ごもりの慣れによって外に出ないで生活することが普通になってることも起因しているかと思います。
少し難しい話ですが、テレワーク環境の常態化で外的要因による仕事のストレスが減り、精神ストレスが低下している一方で、前述のように運動不足や不摂生な生活が原因で身体ストレスが増加し、心と体のストレス状態に乖離が生まれている人が増えています。これを『ストレスギャップ』状態といい、これもテレワーク高血圧が増えている要因のひとつであると僕は思っています」