こころネット：墓石、婚礼事業を手がける

　こころネット株式会社は福島県地盤の冠婚葬祭事業者です。冠婚葬祭のほか、同社グループでは墓石・石材の小売および卸を行う「石材事業」も主要事業となっています。この他に生花ショップや高齢者向け住宅も運営しています。

　主要セグメントは（1）葬祭事業、（2）石材事業、（3）婚礼事業の3つで、2019/3期～2022/3期における業績推移は次の通りです。

【こころネット株式会社（2019/3期～2022/3期）】
売上高：107億円→105億円→80億円→87億円
営業利益：5.1億円→5.8億円→0.9億円→3.0億円
最終利益：2.8億円→2.2億円→▲8.6億円→1.3億円
葬祭事業：57.9億円→60.6億円→49.1億円→50.3億円
石材事業：22.9億円→20.9億円→19.6億円→22.6億円
婚礼事業：18.3億円→15.6億円→3.7億円→6.2億円

やはり主力の葬祭事業が不調

画像は公式サイトより

　2020/3期は他社同様、単価の低下は免れなかったものの、既存店における葬儀件数の増加と子会社化による店舗数拡大によって増収となりました。

　感染拡大が本格化する2021/3期は自粛によって葬儀規模が縮小され、単価が大幅に減少したことで葬祭事業は大幅な減収を記録しました。石材事業はコロナ影響による入荷遅れが発生したものの、大きく影響は受けなかったようです。なお、婚礼事業は式典の中止が減収に寄与しています。

　翌2022/3期は営業エリア内の死亡者数が増えたことで扱う葬儀件数が増えました。小規模化に対応したホールもオープンさせるなど規模拡大に努めましたが、低価格化が足かせとなり、以前の水準には戻っていません。

　こころネットも前者2社同様、葬儀単価の低下が業績悪化をもたらしていることが分かります。なお葬祭事業の今後について同社は、小規模施設の出店やM＆Aを通じて規模拡大を継続する計画を立てていますが、2023/3期の売上高もコロナ以前の水準には戻らないと予想しています。