せどりビジネスの商材になることも…偽ブランド品の販売・流通事情に迫る
偽ブランド品の摘発件数がコロナ前の水準に戻りつつある。素人では判別の難しい精巧なスーパーコピーは、数万円を超える金額で売られている。
近年はインスタグラムなどSNSでの販売が目立ち、若者にも浸透している偽ブランド品。その知られざる販売・流通事情を追った。
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偽ブランド品の製造方法とは
では、中国では偽ブランド品はどのように作られているのか。TikTokや中国メッセージアプリWeChatでは、こともあろうに業者が宣伝のため、製造している様子や在庫の画像を公開している。
それらをチェックすると、小さなオフィスでしこしことバッグを縫う女性の姿や、工場で工員たちが並び、正規工場さながらの生産体制をとっている様子が確認できた。
正規品の製造メーカーが関与することも
中国市場における模倣品調査を行うアライジェンス コンサルタンツの太田基寛氏はこう解説する。
「時計やブランドバッグなら広東省広州市、キャラクターグッズなら同汕頭市、靴なら福建省と、中国にはコピー品のジャンルによってそれぞれ生産拠点集積地があります。
面白いことに、これらは正規品の生産拠点集積地と一致しているんです。中国でのコピー品ビジネスは、正規品の製造に関わっていたメーカーが関与しているケースが多く、模倣業者は正規品のサプライチェーンを利用し、安価にレベルの高い偽物を製造・流通することに成功しています」