旅客機のトイレはなぜ勢いよく吸い込む?ニオイがしない快適な工夫も
「乾燥問題」を解決した飛行機も
そこで、水分除去装置によってエアコン内の水分をあらかじめ取り除いて機内に送り込んでいる。機内が乾燥するのは、エアコンや機体を腐食から守るために、空気中の水分を除去しているからなのだ。
だから、機内では水分をたくさん取ったほうがいい。水分補給が十分でないと、体内に血けっせん栓ができやすくなり、いわゆるエコノミークラス症候群の原因となるのだ。
そこで、こうした問題を解消したボーイング787が2011年から就航している。この機種は、血栓症発症を防ぐために、より地上に近い気圧環境や湿度を保つことを可能にした。機内に加湿器を搭載することもできるという。これは、軽くて強く、疲労や腐食しにくい複合材料を機体に使用しているからである。最先端の技術が、空の旅をますます楽しく快適にしてくれるのだ。
<TEXT/エアライン研究会>