汚物がなぜジュポッと消える?新幹線のトイレにまつわる素朴な疑問
車体後方のドア付近に必ずある謎の番号
在来線の電車の側面には、「モハ」「クハ」などと意味不明の文字と、それに続く数字を目にすることがある。ところが、新幹線では車体にそういった記号を見かけない。在来線に書かれている記号は、その車両がどんな種類かがひと目でわかるようにした記号で、「形式」「車両番号」「車両記号」などと呼ばれ、ひとつひとつに意味がある。
ひと桁目のカタカナは「性能」を表しており、「モ」とはモーターがついている車両、「ク」とは運転台がある車両(駆動車)を意味する。
ふた桁目は「用途」を表しており、「ハ」は普通車。これはかつて1等車、2等車、3等車があった時代にそれぞれがイ、ロ、ハと呼ばれていた名残で、現在は1等車に該当するものはなく、グリーン車が「ロ」、普通車が「ハ」となった。この記号は国鉄時代に定められたもので、JR各社にも基本的にはそのまま受け継がれている。
いったい何を意味している?
新幹線にも車両記号はあるのだが、カタカナは用いずに3桁の数字が基本になっている。何しろ最初に登場した東海道新幹線から、全車両にモーターがついていた。すべてに「モ」がつくのでは記号を表示する意味がない。3桁の数字のうち百の位は「系列」を表す。
いわゆる100系、700系などと呼ぶのは、この系列のことである。0系だけは表記していない。「6」は未使用で、「9」は事業用車である。そして、JR東日本だけは一番前に「E」をつけてE1系、E2系などと表記している。十の位は「用途」で、たとえば「1」はグリーン車、「2」は普通車、「3」は食堂車、「4」は2階建て車両(1階は普通車で2階はグリーン車)などである。
一の位は「種類」で、「1」はパンタグラフなし制御電動車(運転台がついている電動車)、「2」はパンタグラフあり制御電動車、「3」と「4」は制御車などだが、車内の系列によって意味が異なる場合がある。
新幹線の記号は在来線ほど目立たないが、1号車側から見た車体後方のドア付近には必ず記されている。1号車なら連結面の近く、もう一方の端の車両なら乗務員の出入り口近くとなる。記号を車内に発見することもできる。その場合は、形式と番号を記したプラスチックのプレートがデッキに掲げられているのだが、残念なことに新型の系列の車両にはプレートのないものもあるそうだ。