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汚物がなぜジュポッと消える?新幹線のトイレにまつわる素朴な疑問

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新幹線の窓に小石が当たって割れないのか?

新幹線

 時速200キロメートル以上で走る新幹線にとって、鳥はやっかいな存在だ。ときにはフロントガラスに、ハトやトンビ、カラスなどがぶつかることがある。もしも、その衝撃でガラスが割れたりしたら、大きな事故を招く可能性も考えられる。また、客車の窓にも大敵がいる。車両が巻き上げた線路の砂利(バラスト)などだ。これらが窓に当たってガラスが割れれば、乗客に被害が及ぶかもしれない。

 そうした事態に備えて、新幹線の窓ガラスはフロントガラス、客車の窓ともに割れにくいように工夫されている。具体的に説明すると、新幹線の窓ガラスは複層構造になっている。まずフロントガラスは、厚さ5ミリメートルと厚さ6ミリメートルの強化ガラスを組み合わせて、その間にフィルムを4枚挟んだ構造になっている。これによって強度が大幅にアップして、鳥の衝突による事故を防いでいる。

バラストが当たっても破損しにくい理由

 また、客車の窓も頑丈だ。外側は硬質ガラス、内側は強化ガラスで、破損するときは小さく砕け、ガラスの破片によるケガを予防している。客車の窓の厚さは約2センチメートルで、ガラスとガラスの間に空気の層があり、結露を防ぐと同時に防音効果も得られる

 外側の2枚合わせのガラスのうちの外側には、気温の変化に強い硬質ガラスが使われ、もう1枚は板ガラスを熱処理して強度を増した強化ガラスが使われる。2枚のガラスの間には、フィルムが挟み込まれている。また、内側のガラスにも強化ガラスが使用されている。

 こうした構造によって、新幹線の窓はバラストが当たっても破損しにくく、また、破損しても粉々に飛び散る危険性は低くなっている。おかげで、乗務員は安心して運転ができるし、乗客は快適な旅が楽しめるのである。

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