子供がコロナに感染したら…働く人が知りたい「助成金・支援金」の仕組み
新型コロナの感染が拡大するなか、子どもの感染や保育園・小学校の休業で仕事を休まざるを得ない労働者が増えていますが、このようなケースで休んだ労働者が、企業の金銭的な負担を一切伴わずに給与補償を受け取れる公的な制度があることを知っているでしょうか。
「小学校休業等対応助成金」と「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」(休業支援金)です。これらの制度を駆使することで、新型コロナに関連するさまざまなケースの「休業(当初働く予定だった日・時間に休まなくてはならなくなること)」について、給与の補償を受けることができます。首都圏青年ユニオンで労働問題に取り組んできた筆者が解説します。
シングルマザーが娘のコロナ感染で休業に
シングルマザーのAさんは、2022年に保育園に通う娘さんが新型コロナに感染し、自身も濃厚接触者認定を受けてしまい、娘さん本人は10日間の自宅待機、Aさん自身は娘さんよりも7日間多い17日間の自宅待機を保健所から指示されました。
その際、Aさんから「娘のコロナ感染と自らの濃厚接触者認定で仕事をかなりの期間休まなくてはならないが、休んだ期間は給与をもらえないのか」と相談を受けた私は、「小学校休業等対応助成金」と「休業支援金」の活用をすすめました。最終的にはAさんは無事に両制度を使うことができ、Aさんの休業期間の17日間について給与の補償を受けることができました。
では「小学校休業等対応助成金」と「休業支援金」とはどのような制度なのでしょうか。以下、それぞれ見ていきましょう。
小学校休業等対応助成金とは
小学校休業等対応助成金とは、お子さんのコロナ感染・濃厚接触者認定・コロナ疑いや保育園・小学校などの施設の休業によって、仕事を休んで子どもの世話をしなくてはいけなくなった場合に、休んだ期間の給与補償をするための制度です。
手続き上は、子どもの世話で休んだ労働者に対して、従前賃金の100%の給与補償した企業に対する国からの助成金という形で支払われます。企業は労働者に支払った分の全てを助成金として国から受け取れるので一切金銭的負担がなく、労働者からすれば、企業の金銭的な負担一切なしで休んだ期間の給与を受け取ることができます。