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空前絶後の好決算に沸く「海運大手3社」、株価高騰はいつまで続くか

ビジネス

 海運大手3社の株価高騰が止まりません。2020年前半は1000円台で取引されていた日本郵船の株価は、2022年3月18日に1万2490円の高値をつけました。1000円以下で推移していた商船三井株は、3000円台まで高騰。1000円台だった川崎汽船株は、2022年6月3日に1万1090円の高値をつけています。

日本郵船

門司港 日本郵船 ©Eric’s library

 3社の株が高値で取引されるようになったのは、業績が極めて良いため。空前絶後の好決算に沸いています。それはなぜなのでしょうか。

純利益率が43.8%の「超絶決算」

海運大手3社

海運大手3社純利益推移※決算短信より筆者作成、以下同じ

 日本郵船の2022年3月期の純利益は1兆円でした。前年同期比7.2倍です。このときの売上高は2兆2807億円で、純利益率が43.8%という超絶決算となりました。なお、2021年3月期の純利益率は8.7%でした。

 この現象は他社も同様です。商船三井の2022年3月期の純利益は前年同期の7.9倍となる7088億円川崎汽船は5.9倍の6424億円でした。2023年3月期は3社ともに前期とほぼ同水準の純利益を予想しています。直近の決算において、3社がどれほど利益を出すようになっているのかは、純利益の推移を見るとよくわかります。

純利益を押し上げる「持分法による投資利益」

日本郵船

日本郵船の営業利益率と純利益率

 日本郵船の2022年3月期の営業利益率は11.8%。2021年3月期は4.4%でした。実は営業利益率は7.3ポイントしか増加していません。一方、純利益率は8.7%から44.2%とへ35.6ポイントも上昇しています。

日本郵船

日本郵船2022年3月期損益計算書(一部)

 ここに海運3社が同じように純利益率を高めた秘密が潜んでいます。日本郵船は2022年3月期に「持分法による投資利益」を7426億4500万円計上しています。2021年3月期の4.8倍ともなる数字です。

 商船三井は2022年3月期に前期の4.9倍となる6573億7500万円、川崎汽船は5.4倍となる6409億9200万円の「持分法による投資利益」を計上しています。この利益の大部分を占めているのが、オーシャンネットワークエクスプレスホールディングスです。定期コンテナ船業を行う日本の海運会社です。

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