THE RAMPAGE吉野北人、田舎町からつかんだ夢「もう無理だと思った瞬間もあった」
「もう無理だ…」と思った瞬間もあった
――お話を聞いていると、吉野さんは「俺が!」というタイプではないですが、静かにたぎる情熱を感じます。自らオーディションに応募し、THE RAMPAGEメンバーの座を勝ち取り、ステージに立ち続けているのは並大抵じゃないですよね。
吉野:やはり最初の出発点は「歌手になる」という夢でした。その熱量だけは誰にも負けない自信がありました。高校時代から本格的に歌手を目指し始めたのですが、宮崎県小林市という田舎町に住んでいたので、音楽スクールとかはなかったんです。
だから、当時は毎日カラオケに通って練習し、人前で歌うことに慣れるためにカラオケ大会やオーディションに参加する日々を過ごしていました。EXILEのオーディションを知った時も迷わず応募して、THE RAMPAGEメンバーという形で合格できましたが、本当の勝負はそこからでした。
――デビューの夢を叶えてからのほうが大変だったと?
吉野:メンバーのほとんどがスクールの練習生としてダンスや歌を習ってきた人たちです。その中に素人が入ったわけですから。正直に言えば、「もう無理だ…」と思った瞬間もありました。でも僕は負けず嫌いなところがあるし、何よりも歌が好き。しかも、家族や友人、ファンの方、いろいろな人が僕に期待してくれている。
もう自分一人だけの夢ではなくなっているので、みんなを裏切りたくない、悲しませたくない思いで、必死に食らいついていきました。
努力したことは絶対に無駄にならない
――強い思いが伝わってきました。その出発点となった歌を好きになったきっかけは?
吉野:子供の頃から歌が好きで、テレビで音楽番組がやっているとマネして歌っていたんですよね。あまり記憶がないのですが、まだ小さかった時から尾崎豊さんの「I LOVE YOU」が流れると食いついていたみたいなんです。物心がついてからテレビで「I LOVE YOU」が流れると、親が「ホクちゃんの好きな曲だよ!」って教えてくれて、よく歌うようになったんです。
過去のライブ映像を見てもすごいし、特に「太陽の破片」を歌っている姿に衝撃を受けました。今では尾崎豊さんは自分が目標とする、リスペクトする偉大な存在になっています。僕にとって理想のアーティストです。
――最後に自ら夢をつかみ取った吉野さんから、悩める同世代に伝えたいメッセージはありますか?
吉野:やっぱり原動力になるものって、すごく大事です。まずは、自分は何をやりたいのか? 自分が好きなこと、向いているものを見つけることだと思います。その思いが自分を変えたり、輝かせてくれるはずです。
夢は何か1つだけでもいいし、いくつあってもいい。それに向かって挑戦し、努力したことは絶対に無駄にならないはずです。皆さんも自らの道を楽しみながら進んで行ってほしいですね。
<取材・文・撮影/中野龍>