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アイドルに数十万円を貢ぐ28歳弟が「突然の結婚宣言」全員が凍り付いた…

コラム

婚約者が弟に「いい加減やめたら」と忠告

結婚

 どんなにHさんが稼いだお金をつぎこみ、無駄な努力を重ねていても、勇樹さんは「兄弟だから、基本は本人の意志を尊重したい」と、見守る方針です。しかし、そんな態度を不満に感じていたのが、勇樹さんの婚約者であるSさんです。

「ある日、家族で実家に集まっていたら、Sが弟のことを『いい加減やめたら』と、かなり強めに注意したんです。おまけに『お兄さんと私は来年結婚する予定だし、H君もそろそろ結婚どうするの? お付き合いしている人がいないなら、お見合いもあるわよ』と縁談まで持ちかけました」

 もしかしたら弟のオタク活動を止めさせられるかも――そんな淡い期待を抱きます。ところが、Hさんの発言に、その場にいた家族全員が凍りつきます。そのときの様子を、勇樹さんはこう語ります。

「アイドルとの結婚会見」を勝手に宣言

「Sに向かってHは、『Sさん、ありがとう。でも、僕は真剣に◯◯◯(アイドル名)さんと結婚したいんです。彼女にいろいろと貢いでいるのも、そのための準備なので、もう少し待ってください。このプラトニックラブを実らせたあかつきには、結婚報告の記者会見もやります。みなさんをきっとビックリさせますよ』と言ったのです。決して強い口調ではなかったものの、それが逆に狂気を感じさせて、Sも家族も固まっていました」

 さすがにこのまま妄想がエスカレートしたら危ないと、勇樹さんは思っているそうです。しかし、兄弟だといっても今さらはっきり言い出すこともできません。「いっそのこと、芸能界の結婚ブームに乗って、彼女が別の誰かと結ばれてくれればいいのですが」と、頭を抱えているのでした。

特集・兄弟姉妹のトホホな話

<取材・文/夏目かをる イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。『週刊朝日』『日刊ゲンダイ』「DANRO」「現代ビジネス」などで執筆。
Twitter:@7moonr

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