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5期連続赤字でも役員報酬はアップ「中堅PC周辺機器メーカー」の危うい現状

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投資ファンドに“救済”されているが…

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 経営のかじ取りに新たな風が吹かないのも問題です。創業者の藤岡浩氏の跡取りである藤岡毅氏は、1979年生まれで2002年9月にピクセラに入社。2009年2月には代表取締役に就任しています。新卒入社で5年経過しないうちに代表取締役に昇進したことになります。

 ピクセラはエボファンドから資金調達をしているため、自己資本比率は2022年3月末時点で73.7%と高い水準にあります。しかし、エボファンドはかつてオンキヨーが発行した新株予約権の行使をせず、オンキヨーを上場廃止へと追い込んだ張本人。オンキヨーはこれがきっかけとなって破産への道を歩み始めました。

 ピクセラは自己資本に厚みのある今こそ、抜本的な経営改革を行うべきだと考えられます。

<TEXT/中小企業コンサルタント フジモトヨシミチ 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>

外食、小売り、ホテル業界を中心に取材を重ねてきた元経営情報誌記者。現在はコンサルタントという名の中小企業経営者のサンドバッグ役を務めるかたわら、経済の面白さを広く伝えるため、開示情報を分析した記事を書いている。好きな言葉は美食家・北大路魯山人の「硬め、麺少なめ、ニンニクマシマシ」

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