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一般的な投資のリターンは年に何%?年代別に理想的な資産形成のあり方

コラム

原理原則としてお金は雪だるま式に増えていく

通帳と現金

 ここから少し詳しく資産形成について考えてみます。みなさんは投資のベンチマーク、つまり一般的な投資のリターンが年に何%程度かご存じでしょうか?

 答えは+10%前後です。これは「S&P500」と呼ばれるアメリカの上場企業500社に分散投資をした場合の配当再投資込みの年平均リターン(1957年~2021年)+10.67%を引用しています。もちろん過去60年と、今後の60年のパフォーマンスは異なりますので、あくまで参考までにお願いします。

 では仮にみなさんの資産が毎年10%ずつ増えたとして、何年間で2倍になるかわかりますか? 答えは7年間です。仮に100万円で運用を開始した場合に、7年間で2倍の200万円、14年間で4倍の400万円、と倍々ゲームで増えていき、49年で1.28億円に到達する見込みです

 このように資産そのものが大きくなっていくことで雪だるま式に増えていく現象を「複利」と呼びます。ようは資産が大きくなっていくことで、+10%の重みが変わっていくことを意味します。ですから早く始めたほうがよいということがおわかり頂けたかと思います。

 なんだ、じゃあもう僕は、私は遅いのかと思った方もいるかもしれません。ですが今は人生100年時代と呼ばれるように、長生きする可能性が高まっていますので、遅すぎるということはありません。ですが早く始めたほうがよい、この結論は絶対に変わりません。これが投資の原理原則になります。

年代別に理想的な資産形成のあり方

 私が10代~20代の方にお伝えしたいことは、資産形成も大切ですが、それよりも自己投資を思い切ってやってみることをおススメしたいです。それは決して有名な企業の良いポジションで働いてくださいということではなくて、とにかく自分の興味があることに熱中して、勉強して経験してみるということです。

 私はお恥ずかしながら20代の前半までほとんど勉強したことがありませんでした。25歳の頃に外国為替の世界に飛び込み、そこからようやく興味を持って勉強を始めました。会社の仕事も忙しかったですが、合間を縫って英語の勉強をして中国で経営大学院に通ったり、海外30か国程度に足を運んだりしました。

 それでも、もっと早くに色々なことにチャレンジしておけば、より早くに色々な道が自分の前に広がっていたと思います。

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