凶器レベルの刺激臭が…築35年社員寮の「ボットン便所」で起こった悲劇
トイレのために車で5分は…
小さいほうならこれでもなんとか利用できますが、大きいほうだと息が続きません。そのため、トイレを借りに公園やコンビニまでわざわざ出かることも。とはいえ、田舎だったこともあって近所でも車で5分はかかる距離。いちいちそこまで出かけなければいけないのは面倒です。
「同僚には不運にもこのタイミングでお腹を下してしまった者もいて、何度も往復していました。私も便意を感じても我慢しておこうと思うようになり、おかげでその後しばらく便秘気味になってしまいました」
もはや小さいほうでも誰も使いたがらず、かといってもトイレには窓もありません。換気のためにドアを開けるという案も出ましたが、刺激臭が寮全体に充満する恐れがあったので全員がこれを断固として拒否。自分たちではどうすることもできず、会社に事情を説明して修理業者の手配を依頼します。
トイレが使えるありがたみを知った
「すると、過疎地帯の山奥だから業者が来れるのは早くても4日後。すぐに来ると思っていたからこれには私も同僚たちもブーイング。せめて現場にある仮設トイレを寮の隣にも置いてくれたらよかったんですけどね(苦笑)」
ちなみにようやく来てくれた業者の説明によれば、異臭の原因は便槽内の温度が上昇したことによるアンモニアの異常発生。それとトイレの換気扇も故障していたことが重なっておきたトラブルだったようです。
「作業に立ち会ったわけではないので、また聞きしただけですが、臭いを抑えるための特殊な薬剤を散布したみたいです。実際、作業のあった日の夕方、現場から寮に戻るとアンモニア臭はウソのように消えていました。それまでトイレは当たり前のように使っていましたが、実はすごく恵まれていたことなんだなって。そのことをつくつぐ思い知らされました」
ここまでの刺激臭レベルになるのは稀ですが、軽い異臭程度はどの水洗式の家庭でも起こりうること。壁や床に見えない汚れが付着し、ニオイの元となる場合があるのでこまめな清掃を心がけましょう。
<TEXT/トシタカマサ イラスト/zzz(ズズズ)@zzz_illust>