「ご飯食べた?」母親みたいなLINEをしてくる彼女に冷めてしまった30歳男性
恋人と家族のような関係になり、相手に恋愛感情を抱かなくなってしまう。そんなふうにして別れてしまうカップルも少なくありません。
今回は自分を気にかけてくれる彼女を母親のように感じてしまった男性のエピソードを紹介します。
友達のような関係の彼女
中野顕さん(仮名・30歳)には、忘れられない人がいます。それは大学時代の20歳から6年間付き合っていたSさんという女性です。2人はもともと友人関係から恋人に発展し、付き合ってからも何でも言い合える友達のような関係でした。周囲がうらやましがるほど仲がよく、中野さんは何度も結婚を意識したこともあったそうです。
「Sは世話焼きというか、他人のことをいつも気にかけていて、友人の相談に乗ったり、遊びに誘われたりすることが多いタイプでした。だから僕のこともよく気にかけてくれていましたし、気分や体調の変化にもすぐ気づいてくれるすごい女性でした」
たまたま就職先のエリアが同じだったという2人は、就職が決まってから会社に行きやすい同じ駅にそれぞれ部屋を借りてご近所さんになりました。お互いの家をすぐに行き来できるようになって、学生時代よりもさらに顔を合わせる機会が増えていったのです。
「僕も掃除は苦手なほうではないんですが、Sがきれい好きかつ、料理好きなので、僕がSの家にだいたいお邪魔していました。いつ行っても快適で、美味しいものを作ってくれるので、どんどん甘えてしまっていたと思います」
気遣いのLINEで気持ちに変化が
中野さんは就職して2年目から仕事が徐々に忙しくなってきたこともあり、それまでのように頻繁にお互いの家を行き来したりデートしたりすることが難しくなっていきます。Sさんはその事情もよく理解してくれ、中野さんの体や生活を気遣うようなLINEを頻繁にくれました。
「Sは『ご飯食べた?』『ちゃんと早く寝てね』みたいなLINEを週に何度か送ってくれていました。僕が早く帰れた日は夕飯を作って持ってきてくれることもありました。今になってみると、これがどれだけ幸せなことだったのかと感じますよね」
始めのうちはこの気遣いが嬉しかったという中野さんでしたが、付き合う年数を重ねていくごとにその気持ちは変化していきました。付き合って5年目には、心配してLINEをくれたり料理を作ってくれたりするSさんのことを、恋人ではなく母親のように感じ始めていたのです。
「それに加えて僕が働いているのはアパレル系の会社なんですが、女性たちがいつもヘアセットとかネイルをしていてすごく華やかなんです。一方で、ずっと身近にいたSはあまり化粧っ気がなくどちらかといえば地味なタイプでした。社内の女性たちの華やかさが新鮮で魅力的で、無意識に会社の女性たちとSを比べてしまっていて、それも気持ちが変化した理由のひとつだと思います」