業績不振の「小僧寿し」が企業買収を繰り返す背景。迷走か、成長の礎か
垂直統合からわずか半年で売却
小僧寿しが驚きの発表を行ったのが2022年5月23日。買収したミートクレストを早くも売却するというのです。しかも2022年12月期第2四半期に3800万円の株式譲渡損を計上する予定だといいます。ミートクレストの買収から半年ほどしかたっていません。業績への利益貢献はないに等しく、あまりに短期間でシナジー効果があったとは思えません。
そして翌月の6月15日にアスラポートの買収を発表しました。この会社は261店舗を運営しており、244がFC加盟店です。トランセアもFC店が主軸。小僧寿しは直営店ではなく、FCを主軸としてブランドのポートフォリオを広げるとしています。
固定費がかかりにくいFC型のビジネスにシフトすることにより、リスクヘッジを図ろうとしているようにも見えます。事実、コメダ珈琲を展開するコメダホールディングスは、競合に先駆けて営業黒字化を実現しています。コロナが変動費中心のFC型ビジネスの強さを浮き彫りにしました。
ブランドに集客力がなければ…
しかし、それも集客できればこそ。FC展開するブランドに集客力がなければ、加盟を希望する会社や人は現れません。すでに加盟している人も廃業してしまいます。
小僧寿しが譲受する「ぢどり亭」「どさん子」などは、現在JFLAホールディングスが運営しています。2022年3月の店舗の売上高を見ると、前年比89.0%に留まっています。JFLAホールディングスの傘下にある店舗全体が97.0%。12.0ポイント下回っています。