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参院選の争点は?安倍元首相「日銀は政府の子会社」発言を踏まえて

ビジネス

安倍元首相の「日銀は政府の子会社」発言

安倍晋三

※首相官邸HPより

 5月9日、大分県大分市の会合で安倍晋三元首相は「日銀は政府の子会社」という発言をして、国民民主党の玉木雄一郎さんも同意しています。これを黒田さんの発言とつなげるなら「政府の子会社である日本銀行の黒田総裁が、家計が値上げを受け入れてると言った」というパス&ゴールになります。個人的には、ここを争点にしていくのがわかりやすいと思っています。

 自民党、公明党、国民民主党とかは“家計が値上げを受入れ派”です。政府の子会社がどんどんお札を刷ってどうにかしてくれるから円安カモン!というスタンスです。対して、野党の立憲民主党や日本共産党、れいわ新選組などは“値上げを受け入れない派”。

 今の状況に繋がる政治をしてきたのは自民党・公明党で、今の時点での責任は少なくとも彼らにあります。ただ、参議院選挙は政権交代選挙ではありません。今すぐに対策を打てるのは政権与党であることも事実です。では政権与党にこの争点について考えてもらうにはどうすれば良いか?

 6年間という任期で国政についてじっくり考える代理人を選ぶ選挙ですから、まずは、値上げを受け入れらないという声が一定数あることを、選挙結果で見せられればいいのではと思っています。まぁ、僕個人としては、賃金が増えないのにいろんなものが値上げして買えなくなっちゃうのは、“零細インディペンデントの砂場”で遊んでる人としては大変ですから、値上げは受け入れてません。でも、あくまでこれは僕の場合です。

著名人や元タレント候補をどう見るか?

ダースレイダー

自民党・生稲晃子氏の演説を最前列で見守るダースレイダー、プチ鹿嶋氏(ダースレイダーInstagram6月25日の投稿)

 そして、今回の立候補者の中で目立つのが、著名人や元タレントの多さ。これは2001年から参議院比例区で採用されている非拘束名簿式のシステムが関係しているはずです。投票用紙に候補者名・政党名のどちらを記入してもいいので、名前が立っている人を擁立する動きが盛んになっているようです。

 ただ昨今では、以前ほど著名人にポーンと票が集まることは少なくなっているようです。著名人を出したからといって「政治のことはわからないから知ってる人の名前書いちゃえ」というわけでは必ずしもないということですね。

 ですが、前回の記事でも言ったように、投票に参加することは、自分がその時点で何を考えているかを確認することだと思っています。だから、単純に知ってる顔・名前だから書いたとしても、自分がそのように決断したことをちゃんと分かっていればいい。そこが民主主義のポイントで、名前を知っているという理由で投票する人が一定数いるならば、その民意が反映された結果が出てくるんです。

 しかし逆に言うと、著名人だから何も考えていないとか、名前だけで擁立されているかどうかは、その人が議員になった後の活動を見て判断するしかない。今回、自民党の今井絵理子さんや朝日健太郎さんは再挑戦をしています。2期目をやるということは1期目の業績をチェックできます。

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