元アイドル、歌手、芸人…「参院選」はタレント候補も乱戦。参加は“推し活”で
化粧くずれを気にしない姿に本気を見た
芸能人は見た目が大事な職業ですが、政治家も見た目を非常に気にする職業です。それは、イメージで票を入れてもらうことが多いことが理由です。そのため、選挙ポスターは10年以上も前の、若い頃の写真を使用するのは当たり前です。今なら加工ソフトで修正を重ね、別人なのでは? と思えるようなポスターが貼られていることもあります。
そこまで政治家たちは外見にこだわるわけですが、女優として世間に名前を知られた三原さんにとっても見た目は重要だったと思われます。しかし、三原さんは化粧くずれなど気にもとめず、とにかく通行人と握手して回っていたのです。そこに本気を感じました。
2016年、三原さんは再選を目指しますが、全国比例から神奈川選挙区へと鞍替えしています。当初、自民党は現職議員を神奈川選挙区から擁立する方向で調整していました。三原さんの頑張りと熱意が認められたからでしょう。三原さんは、今夏の参院選も神奈川選挙区から出馬を予定しています。
尖った政策は後回しにされがち
タレント候補と揶揄される人たちは、その知名度から注目を浴びやすい環境です。いくら本人が崇高な理念を抱いていても、社会のためになる政策を提案していても有権者が耳を傾けてくれなければ意味がありません。
立候補者にとって、話を聞いてもらうことは政治家への第一関門です。タレント候補は話を聞いてもらいやすく、そういう意味で第一関門は突破しやすいといえます。そして、選挙は1票でも多く取ることが最大のミッションです。1票でも多く獲得するには、万人受けする政策を訴えるほうが有利です。
今夏の参院選で言えば、ロシアのウクライナ侵攻に端を発したエネルギー問題や憲法改正、また昨年の出生率が1.30という発表直後ですから出産・子育て政策の充実などは訴求しやすい政策です。
一方、かねてより取り組んできたライフワークともいえる政策は、尖った政策なので後回しにされがちです。2016年に新党改革から立候補した女優の高樹沙耶さん(58)は、以前から「医療用大麻の解禁」を持論にし、選挙演説でも同様に訴えていました。
医療用大麻の解禁という尖った政策は、世間の関心を引きつけにくく、支持の拡大を図るには適していません。それでも高樹さんは、自身の理念を曲げずに若者が多く行き交う渋谷駅前で必死に医療用大麻の解禁を訴えましたが、残念ながら落選。その後は選挙から遠ざかっています。