結婚した友人から「助けて」の電話。LINEに隠された“SOSのサイン”
LINEで届いていたSOSのサイン
驚いた児島さんでしたが、Fさんが自宅の近くにいるということだったので、すぐに家に来てもらい、話を詳しく聞くことにしました。そして家に訪れたFさんを見て、児島さんは思わず顔をしかめてしまいます。それはFさんが最後に会ったときに比べて明らかにやつれ、表情は暗く、ひどく疲れた様子だったからです。
「結婚して2か月後くらいからDさんが豹変して、それまでになかった激しい束縛が始まったそうです。スマホは家で取り上げられて、その日のLINEのやり取りなどもすべて見られていたと……。しかも家で誰かからFに来たLINEは、Dさんが返信していたと言っていました。もちろん僕からのLINEもです。だから口調が変だったんだなと納得しました」
さらにDさんは激しい偏食家で甘いものやお菓子ばかりを食べ、その食事に合わせることを強要されていたのです。そして少しでも反論をするとヒステリーを起こすDさんに疲弊し、次第に無気力になっていたとか。
「あんなに幸せそうにしていたのに、この1年でそんなことが起きているとは想像もできないですよね。その日は、家を出る際に位置情報を解除して、DさんのLINEをブロックし、着信拒否をしたようで、僕と話しているときに連絡がくることはなかったです」
女性はこりごり
想像もできない内容を聞かされて驚いた児島さんでしたが、その日からFさんは会社を休み、児島さんの家に泊まり、徐々に元気を取り戻していったそうです。
「Fはある程度普通に生活ができるようになって、冷静に自分の状況を理解できるようになったんだと思います。あの電話の日から1週間後くらいに『離婚する!』と宣言して元気に帰っていきました。後から聞いたんですが、Fは家庭での食事の記録をつけたり、暴力を受けた際に録音をしたりしていたようで、離婚できると確信していたみたいです」
離婚協議中はDさんから児島さんに対して恨みつらみのLINEが直接来たそうですが、それも離婚の材料になればとFさんに提出。それから数か月かけてなんとか離婚が成立し、結婚前と同じように自由に連絡を取ったり飲みに行ったりできるようになりました。
「結婚する前よりも今のほうが幸せそうに見えるのは気のせいでしょうか……。Fは『しばらく女性はいい』と言って、前よりも頻繁に僕を飲みに誘ってきます。今回の一部始終を見聞きしていて、僕も若干結婚が怖くなってしまいましたよ。とくに予定はないんですけど、もしこれからそういう相手と出会えたら結婚まで慎重になってしまいそうです」
<TEXT/つる>