相次ぐ“パワハラ告発”に見る、ハラスメント対策の難しさ
社会的弱者によるメッセージの意味
報道が事実だとすれば、これらの騒動に共通する背景に、「パワハラ」「社会的弱者によるメッセージ」を見ることができます。パワハラは立場の弱いものに対して行われることは、多くの人に知られていることですが、なぜ被害者はメッセージを発信するのか? という点に着目して考えると、「残された後輩のために」「会社に変わってほしいから」など、先を見据えた切実な思いが込められています。
自分だけが被害者の場合、告発することが困難な人もいますが、そこに「他者のため」も入ると使命感が背中を押すのではないかと考えます。その切実な思いにどれだけ真摯に向き合うことができるのか。今後ハラスメント対策を強化して、生まれ変わることが期待されます。
現役看護学生からの「SOS」
木更津看護学院の騒動の最中、筆者が代表理事を務める日本ハラスメント協会に別の看護学校に通う現役の学生からSOSのメッセージが届きました。その内容は「教員からパワハラを受けていて、助けてほしい」とのことです。
教員から日常的に「あなたには何を言っても通じない」「頭大丈夫?」クラスのみんなの前で「この人、言ってる事おかしいでしょ? 何で、みんなで注意しないの?」と人格否定をされ、看護学生が「すいませんでした。勉強不足です」と頭を下げると「すいませんじゃない。そういうのいらない」と罵声が飛んでくるようです。
終わらない程の課題提出を求められ、睡眠時間は2~3時間。奨学金を借りているため、辞めたくても辞められない状況で次第に死にたいと思うようになったとのことです。現在、日本ハラスメント協会が学校に連絡して対応を促しているところです。