広瀬すずが語る「何をしても涙が出てきてしまった」難しい役どころへの挑戦
愚痴になるなら言わないほうがいい
――笑いに?
広瀬:もし何か内に溜まるようなことがあったとして、それを楽に言える相手になら、ちょっと口にしたりできますけど、でもそれが「そうだよね」と共感されて愚痴になってしまうなら言えないです。伝えて笑いになるならいいけど、共感されることで負の感情になって罪悪感を持つくらいなら、溜めておいたほうがいいです。
――そうしたものが溜まってしまったときの、ストレス発散法はありますか?
広瀬:暴飲暴食だけが味方です。一番のストレス発散法(笑)。
――暴飲暴食をしてしまったことへの罪悪感はないのでしょうか。
広瀬:あります(笑)。あー、やっちゃったって。でも自分に対しての罪悪感ならまだ大丈夫。「まあ、私も人間だから、暴飲暴食もしちゃうな」って(笑)。
どう見えているのか、何が伝わったのか
――最後に、完成作をご覧になっていかがでしたか?
広瀬:更紗は、みんなの発言とか目線に全部気づいているんだけど、流して生きていて表に出しません。でもそれが垣間見える瞬間はやっぱりあって、そうした表現は難しかったです。
どう伝わるか、どう見えているのか、何が伝わったのか。私は客観的に見られないので、感想を聞かない限り、分からないのですが……。撮影をされたホン・ギョンピョさん(『パラサイト 半地下の家族』『バーニング 劇場版』)が直感型で、アングルを含めて、「これだ!」というのがはっきりしている方で、感情に触れるお芝居だけを求めていました。
完成した映像を見ると、全員のかなりアップが映っていて、物語もですが、みんなの辛さがすごく繊細に伝わってきました。
<取材・文・撮影/望月ふみ>