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パワハラされやすい職場の条件10。若手が標的にされないための防衛策は?

学び

若手社員側ができるパワハラ防衛策はある?

 和田さんによると、「ストレスは強い立場の人から弱い立場の人へ置き換えられることが多い。そのため、若手社員や契約・派遣社員の方がパワハラの被害者となりやすい」のだそう。

 パワハラのターゲットになるのはまっぴら御免ではあるけれど、若手社員側ができる防衛策はあるのでしょうか。

「パワハラは職場で起こる多様な問題が集まっています。刑法、労働法、マネジメント問題、コミュニケーション問題等です。特に職場のコミュニケーションに問題があるとパワハラが発生しやすい。だからこそ『コミュニケーションをとる』そんな基本的なことがパワハラ防止に有効なのです」

 就職活動からずっと「コミュ力、コミュ力」と言われ続け、やっぱりパワハラ防止もコミュ力ですか……。

上司と深く付き合うより、軽い会話の回数を増やす

「だからといって、行きたくもない飲み会に我慢して参加しろというわけではありません。特別、深く上司と語り合う必要もありません。ただ、日常のあたりまえのやりとりを、短くてもいいので回数を多く行うよう意識してみてください。コミュニケーション能力を上げるのは難しいと思っている人でも、あいさつや報告・連絡・相談だったら無理なく実践できるのではないでしょうか」

 なんでも、コミュニケーションは長さではなく、たとえ短くても相手とのコンタクトの回数が多いと関係が良好になるのだそうです。これは、実験結果でも明らかになっていて、社会心理学では「単純接触の法則」と言うのだとか。

「小さなコミュニケーションを重ねることによって、お互いにネガティブな感情を抱くことがなくなり、投げかけられる言葉も変わってくるし、受け止める側の気持ちも変わります」

パワハラ防止
 さらに、和田さんは、コミュニケーションのテクニックとして、こうもアドバイス。

上司と目線を合わせることで、上司の役割、考え、気持ち等が理解しやすくなり、相手を受け入れやすい状況を自己の内面に形成できます。すると、受信力だけでなく、発信力も質的に向上し、良好なコミュニケーションを維持することができます」

 なんで、部下がそこまで気をつかなくてはいけないの!?と思うかもしれませんが、上司からの印象がよくなることは損することでもなし。多少の忖度も処世術、なのです。

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