スルガ銀行、1兆円不適切融資ってぶっちゃけ誰が悪いの?/#全宅ツイ
一方で、かぼちゃの馬車オーナー(債務者)にも全宅ツイのグルさんは言及。独自の言い回しで思考を放棄することの危険性を警告します。
「かぼちゃの馬車オーナーは家族もおるやろし、超法規的な救済がなければ数十年かけて、己の無能を呪いながらローンを返し続けることになる。それが嫌やったら自己破産の二択や。それには同情する。まあ己の決断の軽さとその結果の重さの天秤が釣り合うてないわな。
しかし、それをな。『実際の相場よりも高い値段で不動産を購入するのをスルガ銀行は止めてくれなかった』と、かぼちゃの馬車購入者たちは言うてる。なにか? 銀行は不動産に融資するとき、不動産が高いと思ったら買主(債務者)のために『買うのやめろ』いうべきや思うとるんか? すごいな。それは自分で『ぼくは判断するのを放棄してます』いうてんのと同じやぞ」
シェアハウスオーナーは億単位の借金をして賃貸業を行う事業者であり、リスクテイカーとしての覚悟を問うています。
若者よ、世間は悪意に溢れている
最後に20代のbizSPA!読者へ向けた投資の心構えを聞きました。
「おそらくこの記事を読んどるんは若い人らやろ。社会に出て、やっと一息ついて少しお金に余裕が出てきて、『いっちょなんか投資したろ』思てるころかもしれん。ええか、おぼえとけ。あんたらの想像よりももっと、世の中には悪意があって、それはあんたらの日常と薄皮一枚でしか隔てられとらへんのや」
全宅ツイのグルさんは悪意の例として、かぼちゃの馬車オーナー狙った被害者救済ビジネスをあげます。
「かぼちゃの馬車問題が大きなった頃、『かぼちゃの馬車被害者を救済します』言うて、ホームページつくった奴らがおった。連絡先はメールか携帯電話のみ。ホームページのドメイン情報は匿名化されて所有者がわからんようなっとる、そんな団体や。
そんでも、億単位の借金背負って冷静じゃない被害者のなかには、わらをも掴む気持ちで頼る者も出てきよる。ほんで頼った被害者たちどうなった思う? 相談料名目で数百万さらにパクられておわりや」
まさに弱肉強食を地で行くかのような熾烈な世界。不動産投資はそんな魔窟と地続きであることを忘れてはいけません。
「どうや? 不動産いうんは勉強になるやろう?」
スルガ銀行の不適切融資を調査している第三者委員会は、当初8月末に提出予定だった報告書を1週間延期して、本日9月7日に提出するとしています。原因が究明されるかに注目が集まります。
<取材・文/栗林篤>
【全宅ツイのグル @emoyino】
全宅ツイのグルです。40代です。都心で不動産ブローカーをしております