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職場の“方言ハラスメント”が起こるワケ。「なまりは失礼」なのか

学び

ビジネスの場ではプラスになることも

方言ハラスメント

共通語の音声を読み上げてくれる無料アプリの日本語アクセント辞典「JAcc」。アクセント記号つきで目と耳で確認ができる

 ビジネスの場では方言をどのように扱っていけばいいのだろうか。

「方言はいわばその人の母語で優劣はありませんが、きちんと相手に伝えなくてはいけない時は共通語のほうが誤解が生まれにくいため、使い分けが有効です。営業トークで効果的に方言を使うこともできるはず。アクセサリーのように扱うといいですね」(篠崎氏)

「方言を使う側は、時と場合で共通語に合わせる姿勢を見せること。使われる側は『それってどういう意味?』と方言を覚えることと、すぐに直るものではないと長い目で見守ることです。双方が歩み寄る姿勢が大切です」(村嵜氏)

 まさに双方の歩み寄りを実現させていたのが、千葉県出身のインフラ系SEの男性(46歳)だ。

「『(進捗は)どんな感じですか?』という意味の房州弁『あじょうですか?』が通じませんでしたが、自分が直すのではなくみんなに覚えてもらったので今では通じます」

 多様性が求められる社会。方言もポジティブに受け入れたい。

職場で起きた方言プチトラブル

方言ハラスメント

【そのゴミ、なげといて】
札幌の広告代理店勤務時、東京から来た営業が職場の大掃除で本当にゴミを放り投げた、という嘘みたいなホントの話(45歳男性)

【お世話になっております。〇〇でした】
新卒の製造業で電話した時「え、なんで過去形? 電話終わったの?」と変な空気に。山形では丁寧語なんだけどな(23歳男性)

【そこら片しといて!】
神奈川県の工場で期間工として働いていた時に言われて、意味がわからなかった。地元大阪では聞かない言葉だったので(40歳男性)

【この資料、おわしたので】
栃木県出身です。「おわす」は北関東では「終わらせる」の意。東京の職場で使ったら、「古語?」と言われました(44歳女性)

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