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育休取得率「5年連続100%」企業の社員も…「収入減が不安」のリアルな声

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目的は育休を取ることではない

育児

 しかし、男性が家庭を優先する働き方、いや生き方をするには乗り越えるべきハードルが高いのも事実。そのひとつが、先に下村さんが懸念点として挙げた「パタニティ・ハラスメント」(育休取得の男性への嫌がらせ)です。

 2019年、化学メーカー「カネカ」で起こった「カネカショック」は記憶に新しいのではないでしょうか。育休から復帰後2日目に転勤を命じられ退職に至った過程を妻がSNSで発信し、大炎上する事態に発展しました。今春から始まった育休義務化のように政府が制度を作り、法律化を進めても、上司や先輩が「男性が育児をする=仕事へのコミット度が低い」と決めつけていれば、出世コースから外す、本人の意向を無視した転勤を命じるといった不当な扱いを受けてしまうリスクはあります。

 また、育休取得は歓迎したとしても、男性の根本的な働き方が変わらないのは困りものです。子育ては育休取得期間だけで終わりません。育休明けから早朝出勤、残業は当たり前の働き方がスタートすれば、夫婦が協力して育児に向き合えません。

 妻の立場から男性の育休に意見をくれた前出の三条さんは「比較的ホワイトな職場環境」に勤務しているとはいえ、「子どもは生まれましたが妻は専業主婦なので残業できます!」と言ったり、管理職が「育休を取ったら昇格に響く」と男性社員に伝えている姿を目にしたことがあると話します。こうした意識改革が追いつかない状況で男性の育休義務化はスタートしているのです。

<TEXT/薗部雄一>

4歳と1歳の男の子を持つパパライター。妻の産後うつをきっかけに働き方を見直し、
子育てや働き方をテーマにした記事を多数書いている
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