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女性社員のいじめで退職寸前の29歳男性「こんな会社、アホらしい」 プロも悩む難しい選択

学び

「いじめをしてくる女性たちにガツンと反撃をしてやりたい」。こんな怒りを持ちつつも、そのいじめのレベルに呆れ返る男性がいる

パワハラ

※画像はイメージです(以下同じ)

 今回は実際に起きた事例をもとに、パワーハラスメント(パワハラ)について考えたい。本記事の前半で具体的な事例を、後半で人事の専門家による解決策を掲載する。事例は筆者が取材し、特定できないように加工したものであることをあらかじめ断っておきたい。

事例:女性たちからのいじめで退職寸前

 社員250人ほどの教材制作会社に2年前に転職した吉竹光弘(仮名・29歳)は最近、退職を考えている。1年半ほど前から、同じ部署の同世代の女性たちからいじめを受け、むなしい日々であるからだ。在籍は、小学校の教材を編集制作する第1編集部。正社員は20人(男9人、女11人)。11人の女性のうち、20代は8人。リーダー格の女性(28歳)が20代の女性5~7人を束ねて吉竹に対抗意識を燃やす。

 例えば、以下のようなことだ。
「会議の場で吉竹に論争を挑む。他の女性たちは、このリーダーになびく」「吉竹を孤立するように仕向ける」
「女性たちで徒党を組み、口をきかない」「会議に吉竹だけを呼ばない」「吉竹の仕事の1つずつに、批判やケチをつける」

 吉竹は、前職は一流の出版社。数年でやめて、現在の教材制作会社に転職をした。当初から役員や管理職たちから期待され、この2年、それに応える形でレベルの高い仕事をしてきた。実績は部内20人の中では最も目立つほどで、上司(課長)は「吉竹君がいるから、この部署は助かっている」と皆の前で称える

 吉竹は決してうれしくはない。徒党を組んでいじめをする女性たちの、特にリーダー格の精神レベルにあきれ返り、つくづく嫌気がさしている。「こんな会社、アホらしい…」。

パワハラをする人は「問題」だと認識してない

パワハラ

 大手士業系コンサルティングファーム・名南経営コンサルティング代表取締役副社長で、社会保険労務士法人名南経営の代表社員である大津章敬(おおつあきのり)さんに取材を試みた。

 大津さんは「最近はこのようなハラスメントに関わる労務相談を受けるケースが増えているが、会社の対応は実に難しい」と答える。さらに、リーダー格の女性の男性への行為の背景をこのように捉える。

「男性に活躍する場を奪われるのではないかと不安に思っているのかもしれませんね。あるいは、男性の言動に不快なものを感じ、他の男性社員と同じようには接することができないのかもしれません。いずれにしろ、問題行為ですから、本人にそのことを伝える必要があります。

 私が労務相談を受けると、パワハラをする人は自分の行為が問題だとは認識していないケースが多いのです。今回の女性も、男性に不愉快な思いをさせているとは心得ていない、もしくはこの程度は問題ないと考えているのかもしれないですね。人事部などが行う研修でパワハラに関する基礎知識をつけたうえで、上司や管理部門の管理職が面談で問題である旨を認識させる必要があります」

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