渋谷で人気の26歳八百屋さんが明かす、壮絶なスタート「自分で自分を過労死」
店舗出店を選択した3つの理由
Living Rootsで立ち上げた八百屋ブランド「菜根たん」は、前述のように現在、根津本店、東急百貨店本店にある渋谷店内の、大宮アルシェにある大宮店の3店舗を運営しています。まず、そもそも店舗出店を選択した理由は大きく3つあります。
ひとつは、リアル店舗の存在自体に“宣伝効果”があること。もうひとつは、店舗があることによって“対外的な与信”、つまり外部からの信頼を得られることです。また、流通において“規格外”としてはじかれてしまう、いわゆる「B品」を扱える環境を作りたかったことも大きな理由のひとつです。
例えば、大手有名百貨店が指定した規格から外れてしまっている商品の中には、扱う方法によっては十分商品になるものがあります。こうした商品を自由に扱うためには、どうしても「リアル店舗」が必要でした。
根津、渋谷、大宮…各店舗の特徴
それぞれの店舗地の選択については、自分なりの狙いがありました。1店舗目は“谷根千”(昔ながらの風情を残す、東京の下町・谷中、根津、千駄木などのエリアのこと)のひとつである「根津」に立地していて「リアルで人がつながれる地域コミュニティ」としての“八百屋”を標榜していた僕らにはぴったりのエリアだったと思います。
次にオープンした大宮は“東京近郊にある巨大ターミナル”的スポットです。それなりに規模感のあるマーケティングもいろいろ考えたかったので選択しました。
そして、3店目は「菜根たん」のブランディング向上のために「百貨店×渋谷」という発想で、渋谷東急百貨店内のお店をオープンしました。渋谷は常にファッションやカルチャーなどの発信源。時代の流れを映す象徴的スポットです。「そんな街で『八百屋』が成功したら、注目されるし、おもしろいだろうな」という気持ちもありました。