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地下アイドルから地方TV局員➝独立した27歳に聞く「M-1ファイナリストとの印象的だった仕事」

ビジネス

サイコロの出目でギャラが決まったことも

田中すみれ

『オサレガール』(テレビ埼玉)では、どぶろっくと共演

――TV番組ディレクターになるため、個性を獲得したくて、地下アイドルとして、デビューをされたということですね。

田中:もちろん、やるからにはちゃんと売れたいと思って、レッスンもライブも一生懸命頑張りました。でも、アイドルとしての給料は……いくらもらったかとか覚えていないくらいもらってませんでしたね(笑)。昔、出演した配信番組で「サイコロを振って出た目の数×視聴者数が今日のギャラになる」っていう企画があって、出た目は、なんと「1」。視聴者は200人くらいだったので、200円しかもらえませんでした(笑)。

 でも、そのときは「もらえるだけありがたい」くらいに思っていました。だから、ユニット解散後にメンバーと個人でファンイベントを開催したときは「こんなにお金が入ってくるの!?」とびっくりしましたね。今まで、どれだけ中抜きされていたんだろう……と(笑)。

田中すみれ

「アイドルなんかやってるから落ちるんだよ」

――大学生活と、アイドルの両立は大変でしたか?

田中:サークルに入ったり、友達と遊ぶ時間は全くなかったですね。でも、自分で決めたことなので、やりきるしかないと思いました。学校、レッスン、ライブ、撮影、バイトからのバイト……と、スケジュールはいつもパンパンでした。4年生になると、そこに就活も乗っかってきて、本当に目が回るほど毎日忙しかったです。

――就活が始まる前にアイドルを辞めようとは思わなかったんですか?

田中:変に責任感が強かったので、どうしても途中で投げ出すことができませんでした。あと、もし就活に失敗したときの保険として、アイドル活動を続けるっていう選択肢も残しておきたかったんです。ただ、本当になかなか面接には受からなくて。自分としては、忙しい中、ESを書いて、地方局の面接を受けるために朝早く新幹線に飛び乗って、寝る間を惜しんで頑張っていたつもりでした。

 そんなときに親から言われた「アイドルなんかやって、真剣に就活してないから落ちるんだよ」っていう言葉がかなりグサッときて、大泣きしたのを覚えています(笑)。でも、結果がすべてだし、言うことはもっともだったので、そのときは何も言い返せませんでした。

 そこから、反骨精神でさらにがむしゃらに頑張って、なんとか地元のTV局に合格。地下アイドルをやっていることは隠して受けていたのですが、会社の人には選考の最初のほうからバレていたらしく(笑)。社内では、私を採用するかどうか意見が真っ二つに割れていたそうです。「地下アイドルをやっているなんて、ミーハーでふざけた奴なんじゃないか?」って。

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