水タバコ「シーシャ」を日本に広めた社長の決意「編集者で稼いだ金を全額投入」
シーシャ屋が広まった理由は?
――コロナ禍で苦労したことはありましたか?
杉山:コロナ禍でもお客さんは来ていたので、大丈夫でしたね。むしろ緊急事態宣言があけてからは売り上げが下がりました。おそらく居酒屋とか他店舗競合が店を開け始めたので、お客さんが分散してしまったことが原因でしょうね。
――シーシャ屋が広まった理由は何だと思いますか?
杉山:とにかく時間が経過したからだと思います。あかねで間借り営業していた時も、早稲田の学生が来て、僕が辞めた後も引き継いだりしていて。その世代が単純に大人になって、下の世代に教えてというのを繰り返して認知が広まったのだと思います。シーシャというツイートも今では追えないくらい増えてますし。
チルインが成功した理由
――年商が7億円(2021年度)とのことですが、チルインが成功した理由は何だと思いますか?
杉山:僕自身が凝り性のオタクだったので、研究が好きだったのと、シーシャという新しい商材にいち早く出会えて、先駆者になれたことですね。店を大きくするためにシーシャ屋というビジネスをイチから作り上げられたのがデカい。あと、お客さんと店員の距離を離したのが勝因ですかね。ふつうのシーシャ屋は“名物店員”がいて、お客さん(ファン)がついています。個人でやるならお客さんと店員の距離が近いのはいいことだと思いますが、ビジネスとして組織化するならば、マニュアル化をしなくてはならない。
シーシャのレシピ化、道具の規格化、接客のマニュアルなど、普通のチェーン店がやっていることをシーシャ屋に落とし込んだというのが大きかったのだと思います。今後も情勢を見つつ地方など、できる限り店舗を増やしていきたいです。
――シーシャに出会って人生が変わったのですね。
杉山:シーシャは僕のアイデンティティになってます。シーシャを吸うのも好きですが、職業としてのシーシャ屋を愛してます。
<文・取材 山崎尚哉 撮影・編集/詠祐真>