“ネット規制が厳しい”中国に赴任した会社員の本音「1番辛かったのは…」
今やコミュニケーションツールとして日常的に利用している人も多いTwitterやLINE。海外でもほとんどの国や地域で問題なく使うことができますが、なかにはごく一部ながらアクセスできない国もあります。
なかでも有名なのが中国。海外の一部サイトを閲覧できないように「金盾(グレートファイヤーウォール)」と呼ばれる独自のインターネット規制を設けており、TwitterやLINEだけでなく、GoogleやYouTube、Facebookなどもその対象になっています。
アクセス不可のサイト・アプリが多い中国に赴任
「以前からなんとなく知ってはいましたが中国への転勤が決まった後、気になって調べてみたら自分が普段から使っているサービスが軒並みダメだった(苦笑)。最初は別にアフリカの途上国とかではないし、そんなに生活に困ることもないだろうとタカを括っていましたが、こりゃ大変なところに行くことになった認識を改めました」
そう話すのは、2018年に上海に赴任した産業機器メーカー社員の黒沢怜次さん(仮名・31歳)。特にプライベートで友人や彼女、家族とのやりとり使っていたLINEとGmailも使用NGだったこと。そのため、代わりの連絡手段を用意する必要がありました。
「ネット上には中国国内でも利用できるウラ技的な方法がいろんなサイトで紹介されていましたが、なんか面倒そうだったし、それにバレて問題になった時のことを考えると怖いじゃないですか。中国って身に覚えのないスパイ容疑をかけられて捕まった日本人も結構いますし、その中には自分たちのような駐在員もいたはずです」
仕方なく中国独自のツールを入れたが…
「日本じゃ想像がつかないようなトラブルに巻き込まれる可能性もゼロとはいえなかったため、ルールは守ったほうがいいなって。それで赴任前に新しいメアドを作りました。ただ、普通のメールじゃLINEのようにリアルタイムでのやりとりには不向きだし、複数の友達とのグループトークも当然使えない。おかげでかなり不便でした(苦笑)」
ちなみに中国には、チャットアプリの「微信(ウィーチャット)」、SNSの「微博(ウェイボー)」という独自のツールがあり、黒沢さんも登録。現地で仲良くなった中国人や駐在員とはこれで連絡を取り合っていましたが、日本在住の友人・知人でこれをやっている者は当然誰もいませんでした。
「相手によってツールをいちいち変えなければならず、これが地味に大変でした。しかも、使っていたのは中国赴任中の間だけで、帰国してからは放置したまま。いくら使いこなせるくらい詳しくなっても意味はなかったですけどね」