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ユナイテッドアローズの「駅ナカ全店閉鎖」は必然?ZOZOとは残酷なまでの差が

ビジネス

 アパレル大手のユナイテッドアローズが駅ナカに出店していた小型店「ザ ステーションストア ユナイテッドアローズ」の全店舗を2022年1月30日で閉鎖しました

ユナイテッドアローズ

ユナイテッドアローズ

 新型コロナウイルス感染拡大で商環境が激変し、2020年5月に発表した中期経営計画において不採算の子会社、事業、店舗の撤退を進めるとしていました。駅ナカ店はその一環です。2011年1月表参道駅に1号店を出店。まさかの出来事により、わずか10年での完全撤退となりました

コロナ禍で売上高もZOZOに追い抜かれた

 ユナイテッドアローズの2021年3月期の売上高は前期比22.7%減の1217億1200万円、66億1300万円の営業損失(前年同期は87億5800万円の営業利益)を計上しました。

 2022年3月期の売上高は前期比3.5%減の1174億円。12億円の営業利益を予想していますが、営業利益率はコロナ前の2019年3月期の7.0%から1.0%へと6.0ポイント落とすことになります

ユナイテッドアローズと

ユナイテッドアローズとZOZOの業績推移 ※決算短信より筆者作成、以下同じ

 実店舗型アパレル企業が苦戦する中、大躍進を遂げたのが「ZOZOTOWN」「WEAR」などを運営する株式会社ZOZO。2021年3月期の売上高は前期比17.4%増の1474億200万円となりました。コロナを機にユナイテッドアローズの売上高はZOZOに追い抜かれます

ZOZOと比較すると営業利益率に大きな開きが

 コロナ禍でアパレル業界も一気にデジタル化が進みました。そうかといって、これまで実店舗をメインに展開していた企業が、コロナ禍で急速にECへと舵が切れるわけではありません。ユナイテッドアローズの2021年3月期小売の売上高は523億2300万円でしたが、これは前年比35.4%の減少です。一方、ECの売上高は11.7%しか上昇していません。

チャネル別売上高

ユナイテッドアローズ(チャネル別売上高)

 これが小売店ビジネスの難しいところです。ZOZOはユナイテッドアローズの売上高を追い抜きましたが、営業利益においては圧倒的な差がついていました。ZOZOの営業利益率は30%近い水準まで上がっています。ユナイテッドアローズは調子が良かった2019年3月期でさえ7.0%です。

 家賃や販売員の人件費、什器(じゅうき)、内装工事費などがかかる実店舗が、サーバー上の仮想ショップと比べて固定費がかかるのは明らか。では、店舗を閉鎖してECに切り替えれば良いかというと、それほど話は単純ではありません。閉鎖した店舗が獲得していた顧客をECショップに流し込むことは不可能だからです。これは店に立ち寄る顧客がすべて、目的を持って来店し、購買しているわけではないからです。

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