好意に気づかないフリを続けて…恋愛経験なしの男性がLINEのやり取りで後悔
飲み会で再会することに
Kさんと関わらない時間が増えることで、森下さんは曖昧だった自分の気持ちに確信を持つようになります。それはKさんのことが好きで、Kさんと恋人になりたいという気持ちでした。そんな折にタイミングよく、森下さんのいる部署とKさんのいる部署で合同の飲み会が開かれることになったのです。
「普段はあまり部署合同の飲み会ってないんですが、僕としてはラッキーでした。この飲み会でKさんに話しかけて、また前のように気軽にLINEがやり取りできる関係になれればと考えたんです。それでうまく行けばそれ以上の関係に進めたらと」
しかし、飲み会中はKさんも慌ただしくいろいろな席に呼ばれており、なかなか話しかけるすきがありません。結局、飲み会中に話しかけることができず、森下さんはがっくりと肩を落として帰宅しました。するとちょうど森下さんが帰宅した頃、1通のLINEが届きました。
あの頃の自分を許せないけれど…
そのLINEの送り主はKさんでした。しかもその内容は「飲み会で少し話したかった」というもので、森下さんの気持ちは一気に盛り上がります。そして気持ちが抑えきれなくなり、森下さんは勢いで通話ボタンを押しました。
「少し驚いた様子でしたが、あの頃みたいに優しい声で話してくれるKさんに安心して素直に好きだと伝えることができました。でも、すぐに『ごめんなさい』って振られてしまったんです。僕は恥ずかしさと悲しさとかで軽くパニックになってしまい、そのまま通話を切ってしまったんです」
通話を終えた後Kさんから送られてきたLINEには「あの頃は森下さんのことが好きだったけれど、LINEの対応で脈なしだと思い諦めた」と。そして「今は結婚を前提に付き合っている人がいる」ことが書かれていたのです。
それを見て、あの頃の自分の態度や行動に激しく後悔した森下さん。しかし今さら何をしても事実を変えることはできません。森下さんは「お幸せに」とだけ返信し、Kさんとはそれきりに。
「それからさらに1年近く経った頃に、Kさんは結婚、妊娠して退職しました。それも後から同僚に聞いて知ったんですけどね。今は本当にKさんに幸せになってほしいという気持ちですが、あの頃の自分を許すことはできていません。でもいつまでも後悔しているわけにはいかないので前に進もうとしています。仕事は結構頑張っているので、これから婚活でも始めようかなと思っているところです」
<TEXT/つる>