「殺されるかも…」2世信者の女性が苦しんだ“婚前恋愛は堕落”という呪縛
「殺されるかもしれない」と思った
「『婚前恋愛をしても仕方ないでしょう』と自分を肯定する気持ちもあったので、私を純潔だと思っている親がいる現状との板挟みで苦しみました。そして婚前恋愛の事実は長年家族の誰にも言えずにいましたが、しばらく経ってから耐えられなくなって親に命がけでカミングアウト。
『殺されるかもしれない』と思いましたが、実際は『反抗的だったからやっぱりね』と意外にもあっさりしたものでした」
こうして禁忌を破ってカミングアウトをした佐藤さんだったが、ある時から「そこまで親が宗教を大事にするなら、私もやってみよう。やらないで後悔するよりやって失敗して後悔したほうがいい」と吹っ切れたという。
「20歳の時に同じ宗教の方と“宗教内結婚”をしました。親のために結婚をするのか、自分の人生を生きるのかずっと悩んでいましたが、中途半端な反抗が一番自分を苦しめると考え、しっかり宗教を信じてみようと。結婚したら親はものすごく喜んでいましたね」
宗教内結婚から離婚「現在はバツ2」
「相手がアメリカ人で遠距離の結婚生活が4年間。お互いに若かったことや、1度も一緒に住まない夫婦関係は難しく、私から別れを切り出して離婚しました。でも、その4年間はがっつり信徒の輪に入るなどしたので、とことん宗教と向き合った時間でした」
宗教上の結婚だったため、離婚した当初は周囲の信徒から「あの家はうちの宗教ではない」といった扱いを受けることもあったそう。そして佐藤さんは親を裏切った申し訳なさを感じ、その後は家を出て宗教とも決別し、次の人生を歩もうとした。
「親から逃げ、裏切った罪悪感があったので次の結婚はしばらく考えられませんでした。そんな中で私が2世であることや離婚歴のことなどを伝えても理解してくれた男性と出会うことができ、約5年後に再婚しました。しかし、その結婚も最終的には宗教とは関係なく価値観の違いで離婚。現在はバツ2です」