ドン・キホーテ、経営多角化が裏目に。“32期連続の増収増益”も怪しい雲行き
電子マネー「majica」に活路か
電子マネー「majica」を活用した集客戦略もとっています。アプリでは決済機能のほか、商品検索やクーポン機能を利用することができ、店舗だけでなくオンラインでも顧客との接点を持ちたいという同社の狙いがあります。
以上のような戦略で成長を狙うPPIHですが、今後の業績は結局、ドン・キホーテ次第です。とはいえ、以前のような店舗展開は難しいでしょう。アピタ・ピアゴの総合スーパー事業も2021/6期で大幅減益となりましたが、コロナに関係なくそもそも総合スーパー自体の集客力が減少しています。
現在進めている「ドン・キホーテUNY」などのドンキ関連店舗への転換によって同事業は縮小するとみられます。そして「majica」を通じた集客施策も使える店舗がPPIH関連に限られるため、コアな消費者層にしか効果はないでしょう。コロナの状況によりますが、今期予想値を超えるのは難しいかもしれません。
<TEXT/経済ライター 山口伸>