コロナ失業でUberEats配達員になった30代男性「収入が倍増し、心も体も健康的に」
友達に勧められたのは「UberEats配達員」
動画撮影アシスタントとしての職歴しかなかった安藤さんは、どんな仕事につくべきか悩んでいました。
「前職のように長時間拘束されるような仕事はしたくなかったですが、私の経験で専門性を持ってできる制作の仕事はほんの少ししかありません。なので、経験者の問わないアルバイトでの求人や、友人の紹介で応募していました」
安藤さんは仕事先がなかなか見つからないことを友人に相談しました。すると、意外な仕事を紹介されるのです。
「私と同じような状況にいた友人に相談をすると、思いもよらぬ職業を勧められました。それがUberEats配達員でした。安定した職が見つかるまでの期間はやってもいいかなと思い、さっそく登録してみました」
UberEats配達員として月40万円の収入が
UberEats配達員として新しい生活がスタート。前職を超えるほどの収入は期待していなかったものの、始めて半年でコツをつかみ月40万円も稼ぐようになったといいます。40万!?これだけ稼げるのは、かなりレアケースでしょう。
「原付バイクを持っていたので、自転車よりも早く効率良く配達できます。時期によって違いますが、私の場合、時給換算すると平均1500~2000円前後。自分の働きたい日にいつでも働けるので、アシスタントの仕事がない日に配達員の仕事を入れていました。徐々に仕事にも慣れ、半年が経つと月40万円稼げるようになりました」
時給換算で2000円としても、月40万稼ぐには200時間。毎日8時間×月25日でやっと稼げる額ですが、本当にこんなに稼げたのでしょうか?
ともあれ、安藤さんは生活にも余裕が出てきたといいます。
「今までは長時間労働だったので、寝て仕事に行くことの繰り返しでした。ですが、アシスタントの仕事が減り、UberEats配達員を始めてから自由な働き方があることに気付き、精神、肉体ともにヘルシーになれた気がします」
日本の過労や失業者に対するサポートの手薄さ、フリーランスの労働環境を問題視すべきと再認識した安藤さん。自由な働き方を手に入れ、心身の健康の重要性に気づいたといいます。
UberEats配達員もフリーランスで、過酷な労働条件に耐えかねて労働組合ができたぐらいですが、
それでも「自由な働き方」と感じた安藤さん。現実は皮肉です…。
<TEXT/Honoka Yamasaki イラスト/磋藤にゅすけ>
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