31歳公務員が借金200万を抱えた複雑な事情「泣きながら土下座する父を見て」
2020年に金融庁、消費者庁などが合同で行った調査「多重債務者対策をめぐる現状及び施策の動向」によると、多重債務者が、借金をしたきっかけで最も多いのは「低収入・収入の減少」でした。しかし、今回話を聞いた多重債務者の三谷梨沙さん(仮名・31歳)の職業は公務員。一体何が原因で今のような状況に陥ってしまったのでしょうか。
破天荒な父に母とともに振り回されていた
「安定を求めて公務員になったのに……こんな借金を抱えることになるなんて思ってもいませんでした」と話す三谷さん。公務員を目指したのは、両親の存在が大きく影響しています。
「父はカメラマンで、私が小学生の頃は出版社の専属カメラマンとして働いていました。当時は良かったんですが、勤務先の出版社が倒産してフリーになってから生活が不安定に。4年前に亡くなった母が、お金のやりくりに困っている姿をよく見てきました。そんな父の生き方を見て、安定した生活を送りたいと強く思ったんです」
公私ともにこだわりが強く、破天荒な性格だというお父さんに母娘は振り回されがちだったといいます。
大学4年時に試験に合格して公務員に
「父にはどうしても譲れないポイントがいくつかあって、取引相手と揉めて電話口で怒鳴っている姿を何度も目にしました。小学校の運動会でも、撮影ポジションの場所取りで他の生徒の父兄と喧嘩になったこともありますね。お酒の席でトラブルを起こすことも多くて、連絡もなく何か月も帰ってこない時も……」
そんなお父さんの背中を見て育った三谷さんは、進路は安定第一で公務員を志望。大学4年時に試験に合格し、晴れて公務員になります。
「友達が洋服を買っているのをうらやましく思う生活が嫌でした。とにかく失敗しない人生を歩みたくて猛勉強しました」という三谷さんが公務員になった2年目のとある日、お父さんから1本の電話が。