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50周年のラーメン「天下一品」。こってり誕生秘話と、意外な「あっさり注文率」を聞いた

ビジネス

怖い人に絡まれ、殴られた創業時代

天下一品

 CMなどでおなじみの創業者・木村勉氏(現会長)が1971年にひとりで立ち上げた天下一品。出路氏も会長から苦労話は聞いているようで、このように答えてくれた。

「創業時は会長が1人で屋台を引いていたので、そのときの苦労は会長しかわからないのですが、話を聞くと『地元の怖い人たちに絡まれたり、殴られたりすることは日常茶飯事だった』ようです。また、当時は食材を買うお金もないので、『家財道具や服など売れるものはなんでも売って食材に替えていた』と聞いています。それもあって、現在も物や人の気持ちを大切にしていますね」

 出路氏は1995年に株式会社天下一品に入社。当時は創業エリアである関西中心のラーメンチェーンだった。

「現在(2021年11月)は直営店とフランチャイズを含めて全国に230店舗ほどありますが、私が入社したときは100店舗ほどでした。東京は池尻と江古田にあり、当時から1日800人は来店がありました。今、北は秋田県から南は沖縄県まで展開していますが、木村会長の方針で300店舗になったらそれ以上増やさないようにしています

海外にも通用するこってりラーメン

 2018年には会長の息子、木村一仁氏が社長に就任。現在、海外はハワイのホノルル店のみだが、今後3~5年でアメリカにも出店していく予定だという。アメリカ人がこってりラーメンを味わったら驚きそうだが。

「外国の人はこってりが結構好きみたいです。ヨーロッパや東南アジアの現地の日本人からもお店をやらしてくださいとオファーがあります。自分が食べたいというのも含め、『現地の食生活を比べてもこれならいけます』という感覚を持たれています」

天下一品

こってりだからこそアメリカでも通用する

「実際に木村社長もアメリカに住んでいました。海外でもラーメン屋で成功している人もいらっしゃるので、そこでやり方さえ間違えなければ成功すると思います。そのような計画で動いています」

天下一品

中野店はじめ店舗限定のメニューもある

「今はSNSなどで情報がすぐわかる時代なので、視察しなくてもネット上で評価されたり、いろいろなことが見えたりしてきます。関西と関東では餃子の個数とか麺の量が少し変わっているのですが、そういう違いをこれから同じようにしていく動きもあります」

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