「女みたいな返事をするな」ジェンダー平等を妨げる職場の“SOGIハラ”実態と予防策
若い世代の人もSOGIハラに注意
ジェンダー平等と言われる時代に、昭和の感覚で部下と接することはもちろんNGです。若い世代にとってもLGBTの人は珍しく見えてしまうこともあり、冗談のつもりでも面白おかしく対応してしまうと、自覚なくSOGIハラを起こしてしまう危険があります。職場でSOGIハラと呼ばれないための予防策として気をつけるポイントを以下に列挙したいと思います。
◆ SOGIハラにならない予防策
・思ったことをそのまま発言しない
・「男だから」「女だから」の思考を排除する
・「身なり」「声」など、目に見えやすい部分に捉われず、仕事のパートナーとして相手を尊重する
・多様な生き方があることを理解して接する
SOGIハラは相手がどのような言動に傷ついて精神的苦痛を感じるのか、周囲の人には見えづらいと思います。業務の中で本人への配慮のつもりで何かをしようとするときは主観で判断して進めることはせず、本人の希望を丁寧に聞いてから判断するのが良いでしょう。
アウディング被害に遭った場合の対処法
続いて、LGBTの人が職場でSOGIハラ、アウディング被害に遭った場合、どのように対処するのが良いのか見ていきましょう。
「そのような発言はやめて下さい」「仕事がしづらくなります」など本音を言えるような状況にある人は、まず周囲の人に、自分自身のSOGI(個性)を理解してもらえるように伝えてみるのも1つの方法です。それでもSOGIハラ、アウディングが収まらない場合や、本音を言えない人もいると思います。相手に理解が得られない状況であれば、言い返すことは現実的ではありません。
その場合、以下のポイントを参考に対処してほしいと思います。
◆ 被害に遭った場合の対処法
・周囲が「SOGI」に捉われないくらい、仕事の部分を努力して、信頼されるように頑張る
・「SOGIハラ発言の部分」「アウディングの内容」に反応を求められても「応答しなくて良い」と割り切って、起きた出来事をメモや録音して記録に残す
・ハラスメント相談窓口が社内や社外にある場合は利用する。希望状況によっては配置転換できるかも相談する
精神的に限界で仕事に行くのも、困難になっている場合は「適応障害」や「うつ病」を発症している可能性がありますので、心療内科に行くことをおすすめします。診断書をもらうことで休職ができるのと、心を休めながら復職のことや退職、転職について前向きに考えることも大切です。