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「サトウのごはん」は過去最高益。明暗分かれた保存食メーカー5社の業績

ビジネス

ようかん、クッキー…甘い保存食も好調

 主食の保存食が売れるなか甘い保存食も売れ行きが伸びています。井村屋の「えいようかん」はコロナ感染拡大当初から2021年2月までの間で出荷数量が前年より3割増えました。1個171kcalと低カロリーな手握りサイズのようかんです。

 何より5年間の長期保存が売りで、巣ごもりでも楽しめるスイーツとして売れたのではないでしょうか。チョコレート味の商品も販売されています。そして高級な「クッキー缶」も話題となりました。

 ウェスティンホテル東京が2020年3月に販売した「ホテルメイドクッキーアソート(3600円)」は四角い缶いっぱいにクッキーが詰められており、猫の形をしたクッキーやピスタチオクッキーが並べられています。

 ホテルニューオータニやパレスホテル東京も同様の商品を出すなどコロナ禍では高級なクッキーが人気を博したようです。こちらは保存というよりも、巣ごもりが続く中での気分転換を目的として買われたと考えられます。クッキーに限らずお酒やおかず類でも高級品は注目を浴びました

明暗が分かれたスナック類

明治 チョコ

 厳密には保存食ではありませんが、保存のきくポテチやチョコレートなどのスナック類は明暗が分かれたようです。

 明治HDを例に見ていきましょう。2021/3期の売上高は1兆1918億円で、菓子事業の売上高は1136億円と前年度より6.3%減少しました

 お家で楽しむ機会の多い「きのこの山」や「たけのこの里」、カカオ含有率の高い健康志向のチョコレートが売上を伸ばした一方で、グミやガム、コンビニ向けの商品が低調となりました。グミなどの軽いスナック類はオフィスや外出時の需要が高く、巣ごもりが悪い方向に影響してしまったようです。

 チョコレート全体でも減収となりました。コロナ禍では外出時にコンビニで買うようなスナック類が苦戦したと考えられます。カルビーは旅行客の需要が高い「ジャガビー/じゃがポックル」の売上が3割も減少しており、大打撃といえるでしょう

 コロナ禍では様々な保存食が売り上げを伸ばしていきましたが、最近ではワクチン効果もあり感染者数が減少しています。外食の機会が増えるにつれて保存食の需要は落ち込むでしょう。今後は脱巣ごもり需要の中でも消費者を掴めるよう方針転換が迫られます。

<TEXT/経済ライター 山口伸>

化学メーカーの研究開発職/ライター。本業は理系だが趣味で経済関係の本や決算書を読み漁り、副業でお金関連のライターをしている。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー

Twitter:@shin_yamaguchi_

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