40代になるころには「大人」に…

――いい意味で「大人」になったと感じるときは？

伊藤：いやー、ビールを飲めるようになったくらいじゃないですか？（笑）。大人がなんなのかもいまだにわからないし。というか、大人になってからのほうが、大人であることについて語れないような気がします。

――本作は「大人の話」だと感じたとのことでしたが、伊藤さんが20代を演じたかおりは、現在では40代になっています。ご自身が40代になるときには、どんな人になっていたいですか？

伊藤：どっしりしていたいなと思います。もうちょっと余裕があって、いろいろな出来事とか、出会った人に対して、もう少し大きな器を持てたり、視野が広がったらいいなと。そのためにはいろんなものが必要だなと感じます。まだ持ち合わせていないものがたくさんありすぎて。40代までには少しは持っていたいと思います。

話を聞いてみたいと感じられる人に

――仕事の面ではどういったところを変えていけたらと思いますか？

伊藤：私はリーダー気質じゃないんです。人や何かを引っ張っていくという力がない。だから端でわちゃわちゃしているのが、本当は一番楽しいんです。

　でも、年齢もキャリアも重ねていくうちに、そうとばかりは言っていられないですよね。となったときに、この人についていきたいと思わせる何かがあったらいいなと感じます。正座して意見を聞かなきゃいけないような人ではなくて、話を聞いてみたいなと感じられる人でいたいですね。