苦境の串カツ田中でアイドルが接客。“異色の店舗”誕生の舞台裏を聞く
アニメやゲームでなく、アイドルを選んだ理由
アキバあいどる店の従来店舗は、当初、不採算店舗として撤退も視野に入れていたという。しかし、退去にもテナントの違約金などコストがかかる。コロナ禍の社内では「とにかく経費削減。乾いた雑巾すらも絞らなければならないほど」の空気感があったと、谷川氏は伝える。
その活路として見出したのがアイドルの選択肢。しかし、サブカルチャーの発信地として知られる秋葉原には、アニメやゲームといった文化も根付いている。その中でなぜ、アイドルに決まったのだろう。
「初期段階では『ゲーム』や『アニメ』も視野に入れていました。ただ、作品やキャラクターとコラボレーションするコンセプトカフェでは『串カツ田中らしさ』がなくなってしまう。また、アニメやゲームは流行に左右されるとの判断で、難しいという結論へ至りました」
アイドルの働く姿勢が企業理念と合致
「そこからアイドルへとたどり着きましたが、企画にあたっては各店で働くスタッフにも意見を聞きました。アルバイトスタッフの中にアイドルを目指している子や、実際に活動している子たちがいたんです。
話を聞くと、ファンとの距離を大切にしながら成長する姿勢が弊社の企業理念『一人でも多くの笑顔を生む』と通じていました。なおかつ、一過性でなく十年先も見据えられると感じたので企画を具体化していきました」
アキバあいどる店へ足を運ぶ客層は、8割が1人で訪れる男性客。年齢層は20〜30代が多く、リピーターも少なくない。