いじめをLINEで謝罪されても…25歳男性が許せなかった中学時代のツラい記憶
絶対に許さないのはいったいなぜ…
大原さんはAさんに対し、「絶対に許さない」ということ、そして、地元にいる従兄弟にいじめのことを広めてもらうかもしれないとだけ伝え、その場ですぐにAさんのLINEをブロックしました。
「許さないっていうのは僕の本音で、広めてもらうっていうのは嘘です。でも僕の過去を台無しにしたことを悔いてほしい、あの頃の僕のように怯えながら生きてほしいと思ってしまったんです。何も悪いことをしていないのに、毎日のように泣いて謝っていた僕が少しでも救われたらと……」
巻き込んでしまう形になった従兄弟にはこのことを話しておいたそうです。当時をよく知りずっと心配してくれていた彼は、全面的に味方になってくれました。しかしその後、次々にいじめを思い出すLINEが送られてくることになってしまうのです。
「Aくん以外のいじめメンバーから、数日にわたってLINEが送られてきたんです。全部内容は謝罪でした。たぶんAくんが言ったんでしょうね。そのたびに彼らの顔を思い出して、本当に辛い日々でした。もちろんLINEはすべて無視してブロックしたので、それ以降連絡が来ることはなかったです」
一生顔を合わせずに生きていきたい
その後、従兄弟から、数名のいじめメンバーが家に訪れて大原さんの電話番号を教えてほしいと懇願された、と教えられました。もちろん従兄弟は断ってくれましたが、何度も訪問があったそう。
「『警察に相談する』と言ったらそれ以降、パタリと来なくなったとのことでしたが、ちょっと迷惑を掛けてしまって申し訳なかったです。従兄弟は気にするなって言ってくれましたけど……。どんなに謝罪をされても、僕は絶対に彼らを許すことはできないし、できれば一生顔を合わせずに生きていきたいです。目標はあいつらよりも幸せになることですね。それが一番の復讐になると思っています」
過去にしてしまったことを変えることはできません。だから、今していることが誰からの今や未来を傷つける行為でないかを考える必要があるのです。少しでも、こういう苦しみを感じる人が少なくなってほしいものです。
<TEXT/つる>