「朝イチ」って何時くらい?ギリギリセーフな時間は世代ごとに違う
「朝イチでうかがいます」、「朝イチで提出してください」など、ビジネスシーンでよく耳にする「朝イチ」という言葉。
「朝イチ」と聞いて、あなたは何時だと解釈しますか?
「朝一(あさいち)」を辞書で引いてみると、「(仕事などを)その日の朝一番最初に行うこと」(大辞林)とある。意味する時刻が人によって変わり、言われた方は具体的に何時を指すかわからないので、ビジネスの現場で使うには厄介な言葉です。
時間を具体的に指定すべし
大手時計メーカーのシチズンは2006年に、「朝イチ」に関する興味深い調査を実施しています。この調査によれば、「朝イチ」が指す時間について平均すると「7時54分」という結果になりました。
また、男性は「8時」、女性は「7時48分」。20代は「7時36分」なのに対して、30代は「8時12分」と、世代によって開きがあることもわかっています。
社内で、「出社時間=朝イチ」という共通認識ができている場合は問題ないですが、取引先との間では認識が異なる可能性が大きいです。
同様に、「一両日中に」という言葉も「何日までに」と明確に期日を指定する方が安全です。「一両日」を辞書で引くと「一日または二日」(『大辞林』)とあるので、具体的に日数を指定できることがわかります。
ただし要注意なのが、NHK放送文化研究所が行った2006年の調査では「一両日中」を「明日まで」と解釈する人が30代では70%だったのに対して、60代以上は45%と、その多くが「明後日まで」と答えたのです。また、そもそも意味がわからないという人もいました。
デキるビジネスマンを目指すなら、当然のことながら「朝イチ」「午後イチ」「一両日中」などの言葉を使うのは避け、なるべく「朝9時にうかがいます」などと時間を明確に指定するようにしよう。
<TEXT/bizSPA!取材班>
参照:『大辞林 第三版』(三省堂)
『大人の語彙力ノート』(齋藤孝、SBクリエイティブ)より