食費は月700円…激安シェアハウスに住む若者たちの絶望。10畳に2段ベッドが3つ
8枚切りの食パンを1枚ずつ…食費は月700円
未成年でなくなり保護者の制約が軽くなったことで、来月からアルバイトを始めるが、すでに所持金はゼロに近い。生理用品を買うために節約し、食費が月700円という生活が入居時から続いている。
「8枚切りの食パンを、昼と晩に1枚ずつベッドの上で食べています。何でもいちいちダメ出しする毒親で、男性にも騙され、正直自分が幸せになれるはずがないという気持ちが強いし、自分の人生への期待も低い。今は、雨風を凌げる屋根と床さえあればいいかなって感じ。強いて言うなら、“雪見だいふくみたいなパン”を食べたい」
「朝起きたら、隣のベッドの人が死んでいそうで…」
一方の伊藤圭吾さん(仮名・24歳)は2年前に実家を追い出された。
「就職活動に失敗したショックで引きこもりになった兄が親に依存するようになり、両親から『家が狭いから出ていってくれ』と、一方的に追い出されました。今は生存確認のため、たまに母親からLINEが届くくらいです」
月の主な支出は、奨学金の返済2万円、食費1万円、家賃2万5000円で、計6万円あれば十分と、伊藤さんは語る。
コロナ禍で内定も取り消しとなり、現在は不定期でアルバイトをする傍ら、漫画家を目指している。シェアハウスの住人をテーマに漫画を描くが、仕事には繋がっていない。
「仕事がツラいと大学の友達から連絡が来ますが、どこか覇気のある文面です。ですが、同じ20代でも、ここの住人には生命力がまったく感じられない。朝起きたら、隣のベッドの人が死んでいそうで怖くなることがあります」
貧困は、生きる希望さえ刈り取ってしまうのだ。
<取材・文/週刊SPA!編集部>