キリン、サントリー…大手のクラフトビールの実力は?おすすめをソムリエが提案
2021年上半期、国産クラフトビールの販売実績は前年比180%となっている通り、近年クラフトビール市場は大幅に伸びている(※キリンビール調べ)。国内にも多くのブルワリーがあり、趣向を凝らしたクラフトビールを見かける機会も増えた。
今回は、J.S.A認定ソムリエの筆者が「普段はあまり飲まないけれどクラフトビールを試してみたい!」と思う人向けに、大手3社(キリン・サッポロ・サントリー)がリリースするクラフトビール4種を飲み比べしてみた。ビールのタイプや原材料の違いで、ボディや香り、飲み口の印象は大きく変わるのでぜひ参考にしていただきたい。
紹介するビールの特徴は?
今回紹介するビールは4つのタイプにわかれ、すべてタイプが異なる。難しい説明は省いて簡単に紹介すると下記のようになる。
【ラガー】爽やかな苦味があり、のどごしがいい。よく冷やした状態で飲むのがベストと言われる。
【IPA】インディアペールエールの略称。通常のビールよりもホップが多く入っているため、苦味がしっかりと感じられる。華やかなホップの香りと旨みは柑橘類を思わせる。
【ゴールデンエール】すっきりした味わいながらも、フルーティな香りが印象的。
【ペールエール】ホップやモルトの豊潤な香りが味わえる。のどごしよりも味わいや香りを重視するタイプなので、冷やしすぎないのがポイント。
1)SPRING VALLEY:飲み疲れしない上質なコク
「SPRING VALLEY 豊潤〈496〉」(オープン価格)使う麦芽の量はキリンラガービールの約1.5倍。さらにホップは4品種を組み合わせて造られている。発売から約半年で100万ケースを突破したというキリンの大ヒット商品だ。
色合いはラガーにしては少し濃い目で、ラガービールの中でも味わい深く、のどごしだけでなくコクがしっかりと感じられる。
このタイプのビールは味わいや苦味を濃くすると一口目はおいしいがその後はいわゆる「飲み疲れ」してしまうビールも多くある。けれども、このビールは飲んだ後の重みや余韻がくどくないので、日々の晩酌に寄り添うにはぴったりの仕上がりになっている。
ローストチキンやビーフステーキはもちろんのこと、焼きそばやお好み焼きといった日本のソウルフードに合う。味わいが強いので、カレーやタコスライスなど、ボリューミーで濃い味わいのものと好相性だ。
【テイスティングチャート】
ボディ:弱◯◯◯●◯強
苦味:弱◯◯●◯◯強
香り:弱◯◯◯◯●強
コク:弱◯◯◯●◯強
キレ:弱◯◯◯●◯強