副業で売上500万円。28歳OL兼同人作家「勝利の方程式」
あれ? 今さらですが、二次創作って、自分の原作に対する「萌え」を好きなように発散するのが本来の動機なのでは……?
「だって、どうせならできる限り大勢の人に同人誌を手に取ってもらいたいじゃないですか! そうすれば楽しいし、稼げるし、チヤホヤされるし一石三鳥ですよ。自分のニッチな嗜好に忠実な漫画は、別の名義でいくらでも描けますし」
気になるお金の使い道は?
かなり割り切って同人誌を描かれている印象の森田さんですが、気になるお金の使い道は主に「旅行」だそうです。
「海外旅行に行って豪遊することもあれば、原作の“聖地”を巡礼することもあります。あとはほぼ公式グッズにつぎ込んでいるでしょうか……。オリジナル漫画と異なり人の褌で相撲を取っている自覚はあるので、極力公式にお金を落とすようにしています」
「二次創作は公式の黙認によって成り立っていますが、最近は公式そっくりの同人グッズを頒布して警告を受けたサークルもありますし、やりすぎないよう気を遣いながら同人誌を作っていますね」と森田さんはつけ加えます。
そのあたりを見極めるのも、売れる兼業同人作家を続けるコツかもしれません。
取材した日は、うだる暑さの6月下旬。「8月の夏コミはかき入れ時では?」と尋ねると、「そうですね。ですから夏コミで出す同人誌の原稿はとっくに終わらせています。早割で印刷所に入稿しないと、その分印刷代が上がってしまうので」と笑顔で返されました。
経費を抑え、精一杯利益を上げようとするその姿勢。同人活動を完全に「ビジネス」としてとらえるその潔さに、思わず頭が下がりました。
<TEXT/小泉ちはる イラスト/超ズボン>
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